北海道札幌市内を走る札幌市営地下鉄の「南北線」、あなたはどう読みますか?
「なんぼくせん(Nanboku-sen)」?「なんぽくせん(Nanpoku-sen)」?
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札幌市営地下鉄「南北線」の読み方は「なんぼく」か?「なんぽく」か?
札幌市営地下鉄「南北線」の読み方は現在「なんぼくせん(Nanboku-sen)」となっており、札幌駅での案内看板でも「Nanboku-line」と表記されています。
それでは「なんぽく(Nanpoku)」は間違いなのか?実はかつて「なんぽく」と読んでいた時期があったそうです。
Wikipediaには以下のように記載があります。
開業当初、南北線の読みは「なんぽくせん」が主流であった[27]。駅の案内看板などにもローマ字は「Nanpoku」と表記された。しかし1976年6月に東西線が開業する際、国語辞典などを見ても「なんぼく」が正しく、直すべきではないかという見解が出され、以降の案内看板はローマ字が「Nanboku」表記となった。以降駅の案内看板にはしばらく両者が混在していたが、1982年7月末にローマ字が「Nanboku」に統一された[27][注 4]。
出典:Wikipedia:札幌市営地下鉄南北線
南北線の開業当時は「なんぽくせん」と読んでいた歴史があったようです。途中から読み方が変わったとなると、開業当初を知っている方や、「なんぼくせん」に変わった事自体を知らない方は、「なんぽくせん」と呼称していてもおかしくないということになります。
江戸時代まで「南北」は「なんぽく」だった?
この「なんぽく」「なんぼく」問題は気になる方も多かったようで、北翔大学には『薩長と京都が「なんぽく」を江戸から北に追ったか : 札幌の地下鉄「なんぽく」線を考える』という論文も出ています。
この論文によると、「ぽく(poku)」は北海道・東北地方で使われる方言が関係しているのではとのこと。実際、北海道では「天北線」「釧北峠」など、「poku」と読む地名・鉄道路線名が存在します。道内ではアイヌ語由来の地名に「パ行音(パピプペポ)」を使用する例が多いため、「なんぽく」の方が地域にあっている雰囲気はあります。
さらに論文では、明治の初め頃まで日本では「南北」を「なんぽく」と読んでいた歴史があり、本来なら「なんぼく」ではなく「なんぽく」とするべきではないかとも記されています。
北翔大学のアンケート調査
論文内では北翔大学(※調査実施時は北海道女子大学)でのアンケート調査の結果も掲載されています。
札幌と隣接している江別市にある、北海道女子大学1年生で調査してみた。その結果、(私たちにとって)意外なことが分かった。札幌圏(札幌、江別)出身の学生で、1:2(42人:85人)の割合で、「なんぽく」よりも「なんぼく」の方が多いことが分かった。それ以外の北海道出身者では、1:4(24人:99人)の割合で、さらに「なんぼく」の方が多かった。東北地方出身者では、23人のうち、1人(青森)以外は、すべて「なんぼく」であった。
このままで行くと、次の世代には、「なんぽく」が「絶滅」してしまうのではないかと、私たち「なんぽく」派は、強く危惧の念を抱かざるを得ない。出典:薩長と京都が「なんぽく」を江戸から北に追ったか : 札幌の地下鉄「なんぽく」線を考える より
以下はさらに詳しく書かれた論文内の「資料」より。
資料10. 北海道女子大学講義で「南北」の読みについての調査(2000年6月):
「ナンポク」:「ナンボク」
*短大1年生
札幌出身 18:35
江別出身 6:7
札幌圏(札幌・江別) 24:42
他・道内 11:43
東北 1(青森):8
他・本州 0:1
韓国 0:1*学部1年生
札幌出身 16:37
江別出身 2:7
札幌圏(札幌・江別)18:44
他・道内 13:56
東北 0:14
他・本州 0:4*総計
札幌出身 34:71(32.4%:67.6%)
江別出身 8:14
札幌圏(札幌・江別) 42:85(33.1%:66.9%)
他・道内 24:99(19.5%:80.5%)
東北 1(青森):22(秋田8, 青森5, 宮城4, 山形3, 岩手2
他・本州 0:5(名古屋, 神戸, 岡山, 横浜, 愛知)
韓国 0:1出典:薩長と京都が「なんぽく」を江戸から北に追ったか : 札幌の地下鉄「なんぽく」線を考える より
資料では2000年6月のアンケート調査となっているので、現在の大学生がどのように呼んでいるのか気になりますね。