北海道江別市在住の木版画家・絵本作家「手島圭三郎(てじま けいざぶろう Tejima Keizaburo)」さん(85)。
躍動感のある動物をモチーフにした絵本が世界的に人気の作家さんです。
その手島圭三郎さんは今年、40作品目を期に創作活動に幕を下ろすことを決めたとのことです。
この記事では、2021年10月31日に放送されたNHK日曜美術館『北の息吹を刻む〜絵本作家・手島圭三郎 最終作へ〜』についてと、手島圭三郎さんの経歴、最終作となった絵本などの作品紹介をまとめています。
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もくじ
江別市在住の版画家・絵本作家『手島圭三郎』さん40冊目の最終作で創作活動に幕を下ろす[2021年10月31日放送]
【あすの #日曜美術館 】
北海道の大自然、そしてアイヌの挿話を木版画で描き、世界的な評価を受ける絵本作家 #手島圭三郎 。
今年創作活動に幕を下ろすことを決めた手島。その最後の作品に挑む姿のドキュメント。
★10月31日(日) 午前9時https://t.co/Z93oeXU1CY#Eテレ pic.twitter.com/0WdIIaBJ4e— NHK びじゅつ委員長 (@nhk_bijutsu) October 30, 2021
2021年10月31日のNHK日曜美術館『北の息吹を刻む〜絵本作家・手島圭三郎 最終作へ〜』にて、手島圭三郎さんのドキュメンタリーが放送されました。
北海道の大自然をテーマに絵本を生み出してきた手島圭三郎(85)。一刀一刀力強い線を刻む木版画で、雄大な風景と躍動する動物たちの命を描いてきた。代表作「シマフクロウのみずうみ」は夜の湖上を音もなく羽ばたくシマフクロウが魚を捕る場面を、詩的でリアルに描き「大人の絵本」というジャンルを確立した。今年40冊目を期に創作活動に幕を下ろすことを決めた手島。一年がかりの執念の創作現場に密着。
出典:NHK日曜美術館『北の息吹を刻む〜絵本作家・手島圭三郎 最終作へ〜』
手島圭三郎さんの版画がどのように作られているのか、その創作現場の貴重な映像を垣間見ることが出来ます。
NHK日曜美術館『北の息吹を刻む〜絵本作家・手島圭三郎 最終作へ〜』再放送情報
NHK日曜美術館『北の息吹を刻む〜絵本作家・手島圭三郎 最終作へ〜』再放送は、2021年11月7日(日)午後8時~8時45分となっています。
NHKプラス会員の方は見逃し配信が視聴可能です。※見逃し配信期限:11月7日(日)午前9:45 まで
※再放送日・配信期間等は変更になる場合があります。
手島圭三郎プロフィール 経歴
北海道江別市在住の木版画家・絵本作家「手島圭三郎(てじま けいざぶろう Tejima Keizaburo)」さんは、1935年[昭和10年]生まれ(2021年10月31日現在85歳)。
出身地は北海道紋別市です。父が鉄道員で転勤が多く、主にオホーツク海沿いの農漁村を点々として育ったそうです。
1957年(昭和32年)北海道学芸大学(現・北海道教育大学)札幌校卒業後、20年に渡り中学校教師を務め、その後に木版画家として独立。
1981年(昭和56年)に日本版画家協会展に出展したシマフクロウの版画が福武書店の編集者の目に止まり、絵本作家としてデビュー。
手島さんの作品は、シマフクロウ、キタキツネ、ヒグマなど北海道の動物を題材としている点が大きな特徴です。
また、藤村久和と組んでアイヌのユーカラ(伝説・叙事詩)を絵本化したシリーズでも知られています。
作品はアメリカ、ドイツ、スイス、デンマーク、スウェーデン、中国、韓国でも翻訳されており、世界的な人気を博しています。
主な受賞歴は以下のとおりです。
- 1982年(昭和57年)デビュー作の『しまふくろうのみずうみ』で「絵本にっぽん賞」を受賞。
- 1984年(昭和59年)『カムイチカプ』厚生省児童福祉文化奨励賞
- 1986年 (昭和61年)『きたきつねのゆめ』ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞
- 1987年(昭和62年)『おおはくちょうのそら』ニューヨークタイムス選・世界の絵本ベストテン入
- 1988年(昭和63年)『きたきつねのゆめ』ニューヨークタイムス選・世界の絵本ベストテン入
- 1997年(平成9年)『おおはくちょうのそら』ドイツ児童文学賞 絵本部門・ノミネート賞
- 2017年(平成29年)北海道功労賞
手島圭三郎 最終作『きたきつねとはるのいのち』内容 あらすじ
手島圭三郎さんの最後の作品となった「きたきつねとはるのいのち」。
85歳の手島さんによる渾身の最終作です。テレビでも紹介され、たいへんな人気作品となっており、Amazonではプレミア価格となっています。お近くの書店で探してみることをオススメします。
「きたきつねとはるのいのち」の内容あらすじは以下の通り。
3月になっても深い雪に覆われている北海道で、きたきつねは、生まれた子供のために餌を探しに行きます。
北海道の大自然には、たくさんの動物が生息していますが、冬は動物にとって厳しい季節です。親から離れた子供が、餌をとれなかったり、年老いた動物が死ぬのは、冬が多いのです。
やがて厳しい冬が終わると、暖かい春の日差しに包まれて、きたきつねは生きる幸せを感じます。出典:きたきつねとはるのいのち/Amazon
手島圭三郎全仕事
「手島圭三郎全仕事」2017年7月18日発行
手島圭三郎さんの2017年までの仕事内容を紹介する一冊。自作のプロローグや小伝など手島圭三郎さんの内面にも踏み込んだ素晴らしい内容となっています。
木版画で極めた聖域 [原始の森]
酷寒の大地と向き合い、渾身の刻刀で魂の衝動を描ききった。代表作「しまふくろうのみずうみ」で絵本作家としてデビューを果たし、カムイ・ユーカラの世界をも初めて木版画で絵本化した手島圭三郎。
北海道の大自然を描写した36作品は、アメリカ、ドイツ、スイス、デンマーク、スウェーデン、中国、韓国で翻訳され、海外でも高い評価を獲得しました。
動物たちの親子愛、兄妹・夫婦愛、仲間愛から、孤独に生きる姿などを描くドキュメンタリー手法は、古来の日本人の自然観を再現したと評されています。
アトリエでの制作風景から、作品内容をつぶさに紹介しながら、「自作のプロローグ」や「小伝」で作家の内面に踏み込み、手島木版画の魅力を余すところなくお伝えします。出典:「手島圭三郎全仕事」Amazon
野幌公民館での手島圭三郎さん20周年記念講演「ふるさとと人生」映像
20周年記念講演「ふるさとと人生」 - 生涯学習フェスティバル2015
手島圭三郎さんがお住まいの北海道江別市にある野幌公民館にて、2015年12月6日に開催された20周年記念講演「ふるさとと人生」の動画がYou Tubeにありました。
なんと1時間半のノーカットバージョン!たいへん貴重な講演で必見です。