NHK総合にて毎週金曜・19:30[再放送 日曜8:00]に放送している『北海道クローズアップ』。
2018年3月16日(金)[再放送:3月18日(日)]に放送された『北海道百番附(づけ)』にて、江別市野幌の銘菓『煉化もち』が紹介されました。
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もくじ
100年前に刊行されたランキング本『北海道百番附』
『北海道クローズアップ』2018年3月16日(金)放送回の『北海道百番付』。
大正7年(1918年)に刊行されたという「北海道百番付」は、今で言うランキング本だったそうです。
様々なカテゴリーのランキングがある中、今回の放送では「食物番附」についての特集になっていました。
食物番附にて、「小結 江別煉瓦餅」
「北海道百番附」の「食物番附」。
昆布・するめ・鮭・玉ねぎといったものから、酒饅頭・甘納豆・水晶飴・サイダーなど実にさまざまな食物が並んでいます。
江別の煉化もちは「小結 江別煉瓦餅」とあります。
当時は「煉化もち」ではなく「煉瓦餅」という名だったようです。
江別市野幌はレンガの一大産地
ちなみになぜ野幌で「煉化もち」なのかというと、江別市野幌は煉瓦を製造するうえで良質の土がよく取れるためレンガ工場がたくさんあり、江別市野幌と言えば「レンガ」という理由からです。
現在でも江別市内には3つの煉瓦工場が現役で、日本一のレンガ生産地となっています。
伝統を今に受け継ぐ「山サ煉化餅本舗」
江別市野幌にて今でも「煉化もち」を製造販売している店舗『山サ煉化餅本舗』。
なんと昔は洋菓子店だったらしい。
やわらかなお餅にこしあんが入っている、とても美味しい和菓子。
甘さ控えめという点も特徴で、とにかく食べやすいです。私も大好きなお菓子でよく買いに行きます。
旧煉瓦餅販売店は野幌駅すぐ横だった
番組で紹介されていた煉化もち旧販売店舗。
なんと野幌駅ホームへ徒歩10秒という至近距離にあったそうです。
かすかに見える煙突に「モチ」の文字が…。
野幌駅ホームで立ち売りされていた煉化もち。石川啄木・雪中行にも
煉化もちはかつて野幌駅ホームにて立ち売り販売され、夕張鉄道の接続駅でもあったこともあり炭鉱労働者などにたいへん人気があったとのこと。
石川啄木「雪中行(せっちゅうこう) 小樽より釧路まで」には以下のような記述があるそうです。
白石厚別を過ぎて次は野幌。
睡眠不足で何かしら疲労を覚えて居る身は、名物の煉瓦餅を買ふ気にもなれぬ。石川啄木「雪中行 小樽より釧路まで」
残念ながら石川啄木は睡眠不足のため、煉瓦もちを食べなかったようですが…。
それでもこの一文を小説内に記述したことを考えると、当時はよほど人気の名物だったことがうかがえるとも言えます。
炭鉱閉山後、煉瓦餅は廃業。後に「山サ煉化餅本舗」が製造を受け継ぐ
夕張の炭鉱が閉山し夕張鉄道が廃止となると煉瓦餅の売上が落ちてしまい、昭和61年に製造会社が廃業してしまいます。
その後、もともと旧煉瓦餅屋があった駅の反対側で営業していた菊田茂二さんの店舗に、「煉化もちください」というお客さんが殺到。
それほど求めるお客さんがいるのならと、旧店舗から製造方法を引き継ぎ、現代まで続けているのだそうです。スゴイ!
まさに野幌の伝統を受け継ぐ銘菓「煉化もち」。
いつまでも続いていってほしいですね。
煉化もち販売店『山サ煉化餅本舗』の詳細・営業時間等は以下の記事をご参照ください