江別市立大麻泉小学校の前にある敷地を通っていたら、古レールを使った柵があることに気が付きました。
古レールとは、鉄道に敷設されていたレールで古くなって使われなくなったもの、いわゆる鉄骨の廃材です。
鉄道のレールの形を知っている方ならすぐに気が付きます。
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日本甜菜製糖株式会社管理地にある古レール[江別市大麻新町]
これが鉄道の古レール。(※刻印が分かりやすいように写真を横にしています)
平底レールという一般的な形の鉄道レールです。
こういった古くなったレールは、鉄道関係の建築物の柱に使われたり、このような柵に使われたりすることが多くあります。
この古レールを観察する上で最も楽しいのは、側面にある刻印にあります。
よく見るとマークや数字が書かれていますが、これを見るとそのレールがどこの会社で造られ、何年に製造されたかが分かるのです。
このレールの側面を見ると、「丸Sマーク 60 A 1924」という文字か書かれているのが分かります。
丸Sマークは官営八幡製鉄所が製作したレールであることを示しており、60は重さ、AはASCEというレール規格の頭文字、1924は製造された年号です。
つまりこのレールは1924年(大正13年)に日本の官営八幡製鉄所で造られたレールということが分かります。
こちらは1925年(大正14年)製古レール。
こちらは1930年(昭和5年)製造の古レールです。
比較的文字が読みやすい形で残されています。
こちらも1930年製の古レールですが、他のレールには無かった刻印がこのレールにだけありました。
1930の右側に縦棒が6本刻まれているのですが、これは製造月を表しています。
縦棒線6本=6月、という意味で、つまり1930年6月に製造されたレールだと分かります。
この敷地の柵に使用された古レールは、確認できたものは全て日本製・官営八幡製鉄所のものでした。
街のふとした身近な所にこのような歴史的に古い構造物があると、ちょっと嬉しいような得した気分になりますね。
江別では古レールがとても珍しい
古レールは、上の写真のような鉄道と関係ない場所で見られるのはかなり稀な例です。
しかし古い鉄道施設が残る「駅構内」では比較的簡単に見られるものです。(たとえば関東では山手線各駅や東京駅ホームでも見られます)
が、江別市内の駅は新しい駅が多い・鉄道施設が新しく建て替わっているといった理由で、古レールは見られません。
北海道内のローカルな駅に行くと、ホームにある屋根の鉄骨、跨線橋(人道陸橋)を支える鉄骨などで古い年代のレール、外国製のレールなどを発見できます。
岩見沢駅で気軽に見られる古レール
江別から一番近いところで古レールが見られる場所として、近年新しく建て替えられた「岩見沢駅」があげられます。
岩見沢駅は駅舎の外側の鉄骨に貴重な古レールをずらりと並べているのです。
改札を抜けて窓の外を見ると、刻印が白く塗られた古レールを見ることができます。
岩見沢駅に行く機会があればぜひ見てみてください。
外国製の輸入レールから、「皇紀」で年代が書かれた日本製の貴重なレールもあります。