江別市に残る史跡『江別チャシ(アイヌ文化期の砦跡)』『旧豊平河畔遺跡(続縄文時代のムラ)』を見に行ってきました。
『江別チャシ』は、江別市内に現存する唯一のアイヌ文化期の遺跡とのことです。
江別チャシとは何?
チャシとは、主に近世にアイヌが築造したある種の施設であって、高い場所に築かれ、壕や崖などで周囲と切り離された施設である。
チャシはアイヌ文化の中でも重要な位置を占めていると考えられているが、アイヌ族による文献史料が存在しないため、詳しいことは殆ど判っていない。
出典:チャシ/Wikipedia
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もくじ
【江別チャシ】市内に唯一現存するアイヌ文化期の遺構と続縄文時代の「旧豊平河畔遺跡」[江別市工栄町]
江別市工栄町12番地にある遺跡『江別チャシ(アイヌ文化期の砦跡)』『旧豊平河畔遺跡(続縄文時代のムラ)』を示す標柱。
2つの時代の異なる遺跡が同じ場所にあります。
『江別チャシ』はアイヌ文化期の遺跡で、1500年~1800年頃のものとされ、砦跡、霊送りなど祭祀の場、集会、談合の場、狩や漁などの見張り場、といった具合に様々な用途があったか諸説あるようです。
『旧豊平河畔遺跡』は、続縄文時代(紀元前3世紀頃~紀元後7世紀頃)の集落跡とのことで、住居跡や墓、縄文土器、石器などが見つかった場所とのこと。
『旧豊平河畔遺跡』は、実際の場所はこの標柱の向かいにある住宅地一帯(上の写真は標柱から住宅地を見たもの)なのだそうですが、標柱を住宅地の中に建てられず、やむを得ず江別チャシ標柱の隣に立てた、といったところでしょうか…。
江別チャシ
こちらがチャシ標柱の後ろに広がる風景。手前が窪んだ堀のようになっていて、それが奥の方まで続いています。
更に奥に進んでみましたが、木々に覆われこれ以上は進めない雰囲気です。
盛り上がった堤防のようなところを上ってみると、少し開けた場所がありました。
この先は崖になっていて、世田豊平川が見えます。
崖の上から世田豊平川を眺めてみる。
川からはかなりの高さがあり、向こう岸の様子が一望できます。
地形をうまく利用した天然の砦といった感じでしょうか。
昔の人々はここからどのような風景を見て、何を感じていたのでしょう。想像力を掻き立てられる場所ですね。
世田豊平川の右手を見た風景。手前に木々があるため若干見えづらい感じです。
木が生えていなかったらかなりの絶景が楽しめたかもしれません。
江別第2チャシ[江別市対雁]
江別にはかつて『チャシ』が2つ存在していました。
『江別第2チャシ』と呼ばれている跡が、江別第1チャシから東へ500メートルほど進んだ位置にあったそうです。
現在は住宅地になっており現存していませんが、雰囲気だけでも味わってみようと思い見に行ってみました。
写真奥には台地の上に住宅が並んでいますが、この上一帯が『江別第2チャシ』の跡だったとのこと。
チャシの特徴は高い場所に築かれることから、そんな雰囲気は感じられますね。
江別第2チャシ跡地の下から見た風景をパノラマ写真で撮影してみました。※写真はクリックで拡大表示が出来ます。
ここはちょうど住宅地と工業エリアを分ける境界線になっていて、そういう意味でも少し特殊な風景になっているのも面白いです。
江別チャシの場所アクセス地図
住所:〒067-0051 北海道江別市工栄町12
江別第二チャシの場所アクセス地図
住所:〒067-0033 北海道江別市対雁124