
江別市若草町にある廃線跡を活用した散歩道「四季のみち」。この道の途中「夏のゾーン」と呼ばれるエリアには黒川晃彦氏による彫刻「ワンモアタイム」があります。地元では”ラッパおじさん”などと呼ばれ親しまれています。今回はこちらの彫刻にスポットを当てたいと思います。
※本記事は別媒体にてえべナビ名義で2022年12月に掲載されたものを再編集したものです。
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江別市「四季のみち 夏のゾーン」

こちらが四季のみち・夏のゾーン。場所は江別市立病院のちょうど横(西側)辺り。
ここはかつて北電火力発電所引込線の線路が通っていた廃線跡でした。歩道に枕木が使われているのはその名残なのかも知れません。

ベンチに座る大きめの彫刻が見えます。このアルトサックスを持った小太りのおじさんが、黒川晃彦氏による彫刻「ワンモアタイム」です。

たいへんリアルな彫刻で、今にも動き出して演奏を始めそうな雰囲気があります。

彫刻の題名ともなっている「ワンモアタイム」が示す通り、指を一本立てて「さあもう一曲いってみようか!」という声が聞こえてきそうな躍動感を感じます。

ラッパおじさんの座っているベンチの横に座って休むこともできます。

作品の下に「ワンモアタイム 1993 黒川晃彦」と書かれたプレートがあります。どうやら1993年に設置された作品のようです。
設置から既に30年以上の歳月が過ぎていることになります。

四季の道は春・夏・秋・冬をイメージした緑道が続くたいへん長閑な小道です。個人的にもお気に入りの道で、しょっちゅう散歩に来ます。
ラッパおじさんが裸の理由は?
お気づきの方も多いと思いますが、アルトサックスを持ったこのおじさんの彫刻、上半身が裸です。
【黒川晃彦の彫刻】江別の銅像 サックスおじさんは日本全国にいるらしい[江別市若草町]
上記リンク先にて紹介されていますが、実はこちらのラッパおじさんはいろいろなバリエーションで全国に存在しています。しかも全裸の作品が結構あるそうです。
なぜラッパおじさんは全裸・半裸なのか?
この理由について、2022年9月23日放送のNHKの番組「不可避研究中」にて、黒川晃彦さん本人が登場して理由を語っていました。
作品が全裸の理由は?という問いに「おっさんにアルトサックスを吹かせたら、面白いかなっていう」と、なんともお茶目な回答をする黒川さん。
しかし30年ほど前、箱根彫刻の森美術館にある黒川さんの作品を見た小さな女の子が、「裸でラッパなんか吹いちゃいけないんだよね」と感想を述べたとのこと。それを知った黒川さんは「目からうろこ」「どうしても裸でなければならない理由はない」と考えさせられたといいます。
その事がきっかけとなって、以降の作品にはズボンを履かせるようになったということです。面白いですね。
ちなみに上半身裸である理由として、「それはやっぱり譲れない面がある」「上に服を着ちゃうと、おもしろくもなんともない」と語っておられました。黒川さんの芸術家としてのこだわりと、作品を楽しむ方への配慮も考える優しい一面が見えて微笑ましく思いました。
そんな黒川さんの葛藤から生み出された作品であるワンモアタイム。作者の思いも考えながら改めて鑑賞すると違った味わいを感じられるかも知れません。
江別市 黒川晃彦「ワンモアタイム」情報
住所:江別市若草町(2番通りと学園通りの間の緑道「四季の道 夏のゾーン」内)
駐車場:なし

