
※画像はイメージです
江別市内には、JR函館本線の大麻駅・野幌駅・高砂駅・江別駅・豊幌駅の5駅があります。通勤や通学、買い物などで日常的に利用されているこれらの駅ですが、利用状況はどのように変化しているのでしょうか。
今回は江別市統計書をもとに、年間乗車人員が掲載されている大麻駅・野幌駅・高砂駅・江別駅について、2015年度から2024年度まで10年度分の推移を比較しました。
2026年版の江別市統計書に掲載されている最新の実績は2024年度です。大麻駅と野幌駅の乗車人員がほぼ並ぶ一方、2015年度と比べると4駅すべてで減少しています。駅ごとの違いに加え、コロナ禍や江別市の人口の動きも踏まえて見ていきます。
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もくじ
江別市内JR駅の年間乗車人員 2015~2024年度

江別市統計書をもとに作成した年間乗車人員の推移(豊幌駅は数値未掲載)
次の表は、江別市統計書に掲載されている各年度の年間乗車人員です。単位は「千人」で、1日平均の利用者数や、乗車と降車を合わせた乗降人員とは異なります。
| 年度 | 大麻駅 | 野幌駅 | 高砂駅 | 江別駅 | 豊幌駅 | 総数 (豊幌駅を除く) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2015 | 2,633 | 2,414 | 1,053 | 1,401 | 掲載なし | 7,501 |
| 2016 | 2,641 | 2,419 | 1,035 | 1,372 | 掲載なし | 7,466 |
| 2017 | 2,597 | 2,407 | 1,033 | 1,351 | 掲載なし | 7,388 |
| 2018 | 2,592 | 2,372 | 1,016 | 1,335 | 掲載なし | 7,315 |
| 2019 | 2,602 | 2,343 | 1,008 | 1,325 | 掲載なし | 7,278 |
| 2020 | 1,671 | 1,713 | 823 | 1,014 | 掲載なし | 5,221 |
| 2021 | 1,694 | 1,708 | 825 | 963 | 掲載なし | 5,189 |
| 2022 | 1,965 | 1,861 | 895 | 1,053 | 掲載なし | 5,774 |
| 2023 | 1,987 | 1,934 | 926 | 1,081 | 掲載なし | 5,928 |
| 2024 | 1,942 | 1,923 | 943 | 1,078 | 掲載なし | 5,884 |
※単位:千人。統計書の表記は「各年度末現在」。豊幌駅は無人駅のため正確なデータがなく、年間乗車人員は掲載されていません。総数にも含まれていません。内訳と総数は端数整理により一致しない場合があります。
2024年度は大麻駅が最多 野幌駅との差は1万9千人
2024年度の年間乗車人員は、大麻駅が194万2千人で最も多く、野幌駅が192万3千人で続きました。両駅の差は1万9千人で、年間200万人近い規模の2駅がほぼ並んでいます。
続いて江別駅が107万8千人、高砂駅が94万3千人となっています。
今回比較した10年度分では、大麻駅が最多となる年度が多いものの、2020年度と2021年度は野幌駅が上回りました。2022年度に大麻駅が再び最多となり、その後は2024年度まで同じ順位が続いています。
2015年度比では4駅すべて減少 直近では高砂駅のみ増加
2015年度と2024年度を比べると、4駅の年間乗車人員はいずれも減少しています。長期的な変化と直近の前年比を、次の表にまとめました。
| 駅 | 2015年度 | 2024年度 | 2015年度比 | 2023年度比 |
|---|---|---|---|---|
| 大麻駅 | 263万3千人 | 194万2千人 | 26.2%減 | 2.3%減 |
| 野幌駅 | 241万4千人 | 192万3千人 | 20.3%減 | 0.6%減 |
| 高砂駅 | 105万3千人 | 94万3千人 | 10.4%減 | 1.8%増 |
| 江別駅 | 140万1千人 | 107万8千人 | 23.1%減 | 0.3%減 |
| 総数(豊幌駅を除く) | 750万1千人 | 588万4千人 | 21.6%減 | 0.7%減 |
統計書の総数(豊幌駅を除く)では、2015年度から161万7千人減少しました。
駅別では大麻駅の減少率が最も大きく、高砂駅は4駅の中で減少幅が最も小さくなっています。
直近の2023年度から2024年度にかけても、高砂駅は92万6千人から94万3千人へ増加し、4駅で唯一前年を上回りました。長期的には減少しているものの、駅ごとに変化の大きさや直近の動きには違いが見られます。
2020年度に急減 2021年度を底に増加したものの、2024年度は微減
4駅合計の推移で大きな変化が見られるのは、2019年度から2020年度にかけてです。年間乗車人員は727万8千人から522万1千人へ減り、前年比28.3%減となりました。
翌2021年度は518万9千人となり、今回比較した10年度分で最も少ない数字を記録しています。
その後は2022年度に577万4千人、2023年度に592万8千人まで増加しました。ただし、2024年度は588万4千人と前年から0.7%減少し、2年度続いた増加はいったん止まっています。
2024年度の乗車人員は、コロナ禍前の2019年度と比較しても19.2%少ない状況です。落ち込みからの回復は見られますが、以前の水準には戻っていません。
乗車人員減少の背景を考える コロナ禍と人口の変化
2020年度の急減については、新型コロナウイルス感染症の流行による移動の減少が、大きく影響したと考えられます。
JR北海道は、2020年度第3四半期(4~12月)の利用状況について、新型コロナの影響を大きく受け、札幌圏をはじめ、ほぼすべての線区で輸送密度が大幅に減少したと公表しています。江別市内4駅の落ち込みも、こうした鉄道全体の動きと重なっています。
通勤・通学や外出の機会が減ったことなどが、駅の利用にも影響したとみるのが自然でしょう。その後の2022・2023年度の増加も、コロナ禍で減った移動が戻る過程と整合する動きです。
一方、江別市の人口は、乗車人員と同じ規模で減っていたわけではありません。住民基本台帳による人口は、2015年10月1日の11万9,587人に対し、2024年10月1日は11万8,097人。減少率は約1.2%で、4駅合計の乗車人員の減少率21.6%とは大きな差があります。
人口はある時点の人数、年間乗車人員は繰り返しの利用を含む延べ人数という違いがありますが、人口総数の減少だけで鉄道利用の落ち込みを説明することは難しいといえます。
ただし、人口の年齢構成は変化しています。2015年には15~64歳の生産年齢人口が7万3,281人で、全体の61.3%を占めていました。2024年には6万6,168人、約56.0%となっています。一方、65歳以上の割合は27.3%から32.6%へ上昇しました。
通勤や通学などで定期的に移動する人の数や、移動する頻度が変われば、総人口の変化が小さくても鉄道利用は減る可能性があります。学生や高齢者も鉄道を利用するため、年齢構成だけで原因を決めることはできませんが、長期的な利用動向を考えるうえで重要な視点です。
また、4駅合計の乗車人員は、コロナ禍前の2015年度から2019年度にかけても約3.0%減少していました。もともとの緩やかな減少に、2020年度以降のコロナ禍による大きな落ち込みが重なった形と捉えられます。
駅ごとの違いもあります。2020年度の前年比は、大麻駅が35.8%減、野幌駅が26.9%減、江別駅が23.5%減、高砂駅が18.4%減でした。すべての駅で減った一方、落ち込みの大きさには差があり、利用者の通勤・通学先や利用目的などの違いが影響した可能性があります。
ただし、今回の統計には利用目的や利用者の属性が示されていないため、個別の駅の増減を特定の要因に結びつけることはできません。コロナ禍による移動の減少に加え、人口構成や日常の移動の変化など、複数の要因を考える必要がありそうです。
参考・出典
- 2026年版 江別市統計書(江別市)
- 2026年版 江別市統計書 第8章「運輸・通信」(PDF)
- 2021年版 江別市統計書(江別市)
- 2021年版 江別市統計書 第8章「運輸・通信」(PDF)
- 2021年版 江別市統計書 第2章「人口」(PDF)
- 第5期江別市地域福祉計画(PDF) ※人口・年齢構成は本文6ページ、各年10月1日の住民基本台帳による。
- 2020年度第3四半期 線区別の収支とご利用状況について(JR北海道・PDF)
※JR駅別乗車人員の元データ提供:北海道旅客鉄道株式会社。