北海道江別市王子にある『王子エフテックス株式会社・江別工場(旧王子製紙工場)』。
1908年(明治41年)に操業開始したという、江別の発展の歴史を担ってきたとても大きな工場です。
その工場近くに『王子稲荷神社』があるというので行ってきました。
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もくじ
王子稲荷神社の入口がどこにあるのか分からない
王子エフテックス・江別工場に着いたのは良いのですが、神社の出入口がどこか分からない…。
とりあえず神社の区画と思われる場所をぐるりと回ってみることにしました。
すると、江別工場の出入口正面の道路沿いに、ちらりと神社の建物が見えました。
ヤブを突っ切ったらとりあえず本殿には辿り着きそうだ、と思いつつウロウロしていると、神社の入口らしき”けもの道”が…。
王子稲荷神社の出入口を正面から見たところ。
写真上に矢印で示したのが神社入口です。
入口を示す看板は無く、神社名すらありません。
場所を知らなければ誰がココに神社があると想像できるでしょうか。
王子稲荷神社は王子製紙工場の会社のための存在ですから、出入口が一般の人に分からなくても問題ないのでしょう。
それにしても驚きです。
王子稲荷神社に入ってみる
まさに「けもの道」となっている神社入口。
昼間の明るい時間じゃなかったら絶対に入れそうにありません。
薄暗い神社境内
高い木々に覆われた神社境内はひじょうに暗い。
街灯が二本立っているようですが、ちゃんと光るのでしょうか。
鳥居と石灯籠
けもの道を入るとすぐに現れる赤い鳥居と石灯籠。
写真は明るさを補正していますが、晴れの昼間でもめちゃくちゃ暗いです。
使用不可能な手水舎
手水舎も備わっていますが、板の箱に覆われて使用できない状態でした。
王子稲荷神社・本殿・狛狐
鬱蒼と茂る木々の奥にひっそりと佇む王子稲荷神社本殿。
意外に立派でちょっとビックリです。
稲荷神社なので、狛犬ではなく狛狐(白狐)です。
こちらは右側の白狐さんですが、口は開いていない感じ。
左側の狛狐。巻物をくわえているのかな?
賽銭箱のない神社本殿
王子稲荷神社の建物に上がる少々急なコンクリート階段。
その奥には鈴も賽銭箱もありませんでした。
建物は少し斜め向きに建っています。王子製紙工場出入口を見守るように立っているようです。
木彫りの龍
建物正面図上には立派な木彫りの龍がありました。
地味な神社ながらしっかりと造られているのが分かります。
神社境内の様子
本殿の上から神社境内を見渡すとこんな感じ。
出入口はアレですけど、中に入るとなかなかいい雰囲気です。
狛狐の手前辺りから入口を振り返ってみたところ。
鳥居の周りが暗すぎる!
王子製紙工場ゆかりの神社
白狐の台座に刻まれた奉納年月日。
『関係会社 関連会社 一同 昭和四十九年十一月』と書かれていました。
こちらは鳥居に付いていた銘板。
奉納年月日は同じで、石灯籠にも同様の文字が刻まれていました。
王子稲荷神社について
王子稲荷神社は『王子エフテックス株式会社・江別工場(旧王子製紙工場・旧王子特殊紙株式会社)』ゆかりの神社。
1908年(明治41年)に江別工場が操業開始した当時は「富士製紙」でした。
そして王子稲荷神社が創立・造営されたのが1918年(大正7年)。
富士製紙が王子製紙と合併したのは1933年(昭和8年)5月18日ですから、創立当初は違う神社名だったのかもしれません。
かつては夏のお祭りなども行われていたのでしょうか。
静かな神社境内ではときおり江別工場を出入りする大型トラックの走行音が響いていました。
※追記:王子稲荷神社と王子エフテックス間にある石碑
王子稲荷神社から王子エフテックス江別工場に向かうと、左手に石碑が立っているのが見えます。
写真右奥が工場正面入口で、左手に見えるのが石碑。
あまりにも自然に溶け込んでいるので石碑の存在に気づけませんでした。
石碑に書かれている文章は以下のとおりです。
太陽は緑を呼び 緑は平和と生長のしるしである
わが社は日本最初の木材パルプ製造を創めてより植林にたゆみなき努力をつづけてきた
月日の流れは産業活動と自然との調和を願ってやまない時代となった
時あたかもわが社創業101年に当り ここに緑豊かな美しい環境の創造のため更に不断の努力を尽すことを誓うものである
人よ緑と共に生きよう昭和四十九年六月 王子製紙株式会社 社長 田中文雄
王子製紙における誓いの文書といったところでしょうか。
創業101年で誓いを新たに刻んだのかも知れません。
王子稲荷神社の場所アクセス地図
住所:北海道江別市王子24