北海道江別市にあるJR函館本線・江別駅からはかつて「王子製紙江別工場専用鉄道」「北海道電力江別火力発電所専用鉄道」の二つの専用線が延びていました。
今回は「王子製紙江別工場専用鉄道」の廃線跡をたどっていきます。
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もくじ
王子製紙江別工場専用線の歴史
王子製紙江別工場専用路線のおおまかな歴史は以下のとおりです。
- 1882年(明治15年)11月13日 - 江別駅開業
- 1907年(明治40年) - 富士製紙第五工場(後の王子製紙江別工場)専用線敷設
- 1909年(明治42年)2月 - 富士製紙第五工場専用鉄道、運用開始
- 1986年(昭和61年)5月6日 - 王子製紙江別工場(現在の王子エフテックス江別工場)専用鉄道が廃止
明治時代から77年間に渡り活用された歴史の長い専用線だったことがわかります。
王子製紙江別工場専用鉄道 地図
地図の詳細な年代は不明ですが、大正時代~昭和初期頃のものと思われる、江別駅周辺古地図。江別市役所(この当時は江別町役場)が小学校横にあった時代です。
王子製紙専用鉄道は江別駅から西に進路を取り、3丁目踏切付近から北へ進み、旧江別小学校北側から右へカーブし、現在のガソリンスタンドがある付近から直進して工場にへと線路が続いていました。
専用線が敷設された当時は国道12号は江別駅前を通るルートだったため、線路が真っ直ぐ敷設されているのが分かります。
現在の国道12号のガソリンスタンド付近が不自然に蛇行している理由は、道路が線路を避けるように後から整備されたから、というのがこの地図からも読み取れます。
現在の地図に旧王子製紙江別工場専用線の廃線跡を書き込んだ図。
地図に示された赤線が専用線があった場所となります。
ということで、2015年現在その専用線跡はどうなっているのか?実際に辿ってきた模様をレポートします。
※一部2021年に撮影した写真を追加しています。
王子製紙江別工場専用線が発着していた江別駅構内
王子製紙江別工場専用線が発着していたJR江別駅ホーム。
駅舎寄りの4番線・頭端式ホームに列車が止まっています。
かつてはこの4番線から王子製紙専用鉄道が発着していたそうです。
ちなみに江別駅のホームは、駅舎側から4番線・3番線・2番線・1番線の順番になっており、通常の並びとは逆になっています。
(通常は駅舎側から1番線とふります)
4番線の車止め。
現在はここから江別駅始発の列車が発着します。
王子製紙江別工場専用線の廃線跡を歩く(2)踏切~江別小学校脇~国道へ続く