2017年9月に出版された小説『砂上/桜木紫乃著』は、北海道江別市がモデル・舞台になったことで話題になりました。
今回の桜木紫乃さんの作品のように、江別市内のどこかが登場する本や小説は、探してみると意外と多くあるようです。
というわけで、江別市がモデル・舞台になった本・アニメ・小説などをピックアップしてみたいと思います。
スポンサーリンク
もくじ
『砂上』桜木 紫乃・著
内容紹介
直木賞作家の新たな到達点! 書くことに取り憑かれた女はどこへ向かうのか
空が色をなくした冬の北海道・江別。柊令央は、ビストロ勤務で得る数万円の月収と、元夫から振り込まれる慰謝料で細々と暮らしていた。いつか作家になりたい。そう思ってきたものの、夢に近づく日はこないまま、気づけば四十代に突入していた。ある日、令央の前に一人の編集者が現れる。「あなた今後、なにがしたいんですか」。責めるように問う小川乙三との出会いを機に、令央は母が墓場へと持っていったある秘密を書く決心をする。だがそれは、母親との暮らしを、そして他人任せだった自分のこれまでを直視する日々の始まりだった。自分は母親の人生を肯定できるのか。そして小説を書き始めたことで変わっていく人間関係。書くことに取り憑かれた女はどこへ向かうのか。
著者について
●桜木 紫乃:1965年北海道生まれ。2002年「雪虫」で第82回オール讀物新人賞を受賞。07年、同作を収録した『氷平線』で単行本デビュー。13年、『ラブレス』で第19回島清恋愛文学賞、『ホテルローヤル』で第149回直木三十五賞を受賞。『氷の轍』『裸の華』『霧(ウラル)』『それを愛とは呼ばず』『起終点駅(ターミナル)』『ブルース』『星々たち』『蛇行する月』『ワン・モア』『誰もいない夜に咲く』等、著書多数。
砂上 単行本 – 2017/9/29/Amazon
作品内で主人公の柊令央が勤務する場所が、江別駅前に実在する店舗『ビストロ エドナ』です。
物語の雰囲気と江別駅周辺の空気感がとても色濃く反映されており、江別を知っている人にとってはより一層のめり込んで読めます。
参考:江別が舞台の小説『砂上』(直木賞作家・桜木紫乃著)が話題!お店のモデルになったビストロ・エドナは超人気店
『魔女は月曜日に嘘をつく』太田 紫織・著、清原 紘・イラスト (朝日エアロ文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
北海道は江別市にある「フクロウの丘」。緑豊かなこのハーブ園に住む「魔女」それが卯月杠葉だ。可憐な容姿に反して大の人嫌いの彼女には、感情や嘘を見抜く力があった。ある事情から魔女の下で働くことになった俺は、今日も秘密を抱えたお客を迎える。ココロゆさぶるキャラミステリ。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
太田/紫織
北海道札幌市出身。小説投稿サイト、E★エブリスタにて発表した『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』でE★エブリスタ電子書籍大賞ミステリー部門(角川書店)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)魔女は月曜日に嘘をつく (朝日エアロ文庫) 文庫 – 2014/11/20/Amazon
ドラマ・アニメ化もされた人気作品『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』の著書でもある太田紫織さんの2作目。
小さなお店でハーブ栽培と販売をしている「魔女」卯月杠葉(うづき ゆずりは)と、東京ですべてを失い北海道に来た男性との交流やさまざまな出来事を描くヒューマンドラマ風のライトノベル。
お店とハーブ園のある場所が「北海道江別市」という設定になっています。
2017年11月現在2巻まで出ており、続編となる第3巻は発売日が延期されているようです。
『希望の国のエクソダス』村上龍・著
あらすじ
経済が停滞し閉塞感の漂った現在の日本。そんな現在社会に絶望した約80万人の中学生達は2001年6月のある日、突然CNNで報じられた、日本を捨てパキスタンで地雷処理に従事する16歳の少年に触発され、学校を捨てる。彼らが結成したネットワーク『ASUNARO』は、インターネットなどを駆使して新たなビジネスを始める。最終的には、北海道に広大な土地を購入し30万人規模で集団移住、都市および経済圏を独自に作り上げ、「日本からの実質的な独立」を果たす。
希望の国のエクソダス/Wikipedia
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
村上/龍
1952年、長崎県佐世保市生れ。武蔵野美術大学中退。大学在学中の76年に『限りなく透明に近いブルー』で群像新人文学賞、芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)希望の国のエクソダス (文春文庫) 文庫 – 2002/5/10/Amazon
「希望の国のエクソダス」は1998年~2000年にかけて「文藝春秋」で連載された作品。
作品の中では、札幌と千歳の間に「野幌」という町があり、移住区の中心付近になるということで「野幌市」と名付ける、という話のくだりがあります。
物語の中では「野幌」の読み方は「のっぽろ」ではなく「のほろ」という設定。
新しい国を野幌に作り上げるというのはなんともワクワクします。
作品の発表からすでに20年近くが経過していますが、現代で実現しているものとリンクしているものがひじょうに多くて面白い。
今だからこそ読みたい作品の一つです。
『WORKING!!』高津カリノ・著
高津カリノ作のコミック『WORKING!!(ワーキング)』。
全13巻完結後、続編が続いている大人気シリーズです。
漫画の中で江別市は直接出てこないのですが、アニメ版のWORKING!!第一期では、旧・野幌駅北口駅舎が出てきます。
作品内のお店「ワグナリア」はその野幌駅付近(物語内では「野つ駅」として登場)ということで、「ロイヤルホスト江別店」がお店のモデルではとも言われています。
参考:
ちなみに、WORKING!!のアニメ全話はAmazonプライム会員なら無料で視聴できます。
→WORKING!!
その他・備忘録
のぼり窯〈第1部〉―ロマン (1973年) 久保 栄 (著)
野幌煉瓦を題材にした作品。
まとめ
というわけで、北海道江別市がモデル・舞台になっている小説・アニメのご紹介でした。
江別市と限定するとほぼ無いのでは思いきや、意外とあって驚いた次第です。
まだ他にも隠れた作品がありそうなので探し続けてみたいと思います。