北海道江別市が登場する小説は意外に多く出版されています。
この記事では江別が舞台の小説の一覧表、作品解説などをまとめてみました。
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もくじ
北海道江別市が登場する小説 大特集!
江別市の情報図書館が発行する『情報図書館だより 2021年10月』の配布が開始されました。
こちらの誌上にて『オススメ本紹介 江別が登場する小説』が特集されています。
昨今話題になった直木賞受賞作の『熱源(川越宗一著)』や、江別市在住の小説家・桜木紫乃さんの『砂上』など、様々な作品が紹介されています。
というわけで、今回の『情報図書館だより』を参考に、江別が登場する小説を作品ごとにまとめました。
※情報図書館だより掲載の作品以外も追加紹介しています。
『熱源』川越宗一
故郷を奪われ、生き方を変えられた。それでもアイヌがアイヌとして生きているうちに、やりとげなければならないことがある。北海道のさらに北に浮かぶ島、樺太(サハリン)。人を拒むような極寒の地で、時代に翻弄されながら、それでも生きていくための「熱」を追い求める人々がいた。明治維新後、樺太のアイヌに何が起こっていたのか。見たことのない感情に心を揺り動かされる、圧巻の歴史小説。
出典:「BOOK」データベースより
※江別市対雁が登場
『のぼり窯』久保栄
明治の煉瓦工場を題材としたみかんの作品。著者の久保栄は作中で「仁志組」として描かれた野幌の久保組煉瓦の子息です。あの駅売り名物も登場。
出典:情報図書館だより2021年10月号
『泥炭層』筒井雪路
角山にある「世田谷」という地域名は終戦直前の拓北農兵隊の入植に由来します。当時の関係者の目を通した、時代の記録としても貴重な物語です。
出典:情報図書館だより2021年10月号
『土に贖(あがな)う』河崎秋子
【祝!第39回新田次郎文学賞受賞】
大藪春彦賞受賞第一作!
明治時代の札幌で蚕が桑を食べる音を子守唄に育った少女が見つめる父の姿。「未来なんて全て鉈で刻んでしまえればいいのに」(「蛹の家」)
昭和初期、北見ではハッカ栽培が盛んだった。リツ子の夫は出征したまま帰らぬ人となり、日本産ハッカも衰退していく。「全く無くなるわけでない。形を変えて、また生きられる」(「翠に蔓延る」)
昭和三十五年、江別市。装鉄屋の父を持つ雄一は、自身の通う小学校の畑が馬によって耕される様子を固唾を飲んで見つめていた。木が折れるような不吉な音を立てて、馬が倒れ、もがき、死んでいくまでをも。「俺ら人間はみな阿呆です。馬ばかりが偉えんです」(「うまねむる」)
昭和26年、最年少の頭目である吉正が担当している組員のひとり、渡が急死した。「人の旦那、殺してといてこれか」(「土に贖う」)など北海道を舞台に描かれた全7編。
これは今なお続く、産業への悼みだ――。カバー画:久野志乃「新種の森の博物誌」
出典:土に贖う/Amazon
『魔女は月曜日に嘘をつく』太田紫織 ライトノベル
北海道は江別市にある「フクロウの丘」。緑豊かなこのハーブ園に住む「魔女」それが卯月杠葉だ。可憐な容姿に反して大の人嫌いの彼女には、感情や嘘を見抜く力があった。ある事情から魔女の下で働くことになった俺は、今日も秘密を抱えたお客を迎える。ココロゆさぶるキャラミステリ。
出典:「BOOK」データベースより
太田紫織:北海道札幌市出身。小説投稿サイト、E★エブリスタにて発表した『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』でE★エブリスタ電子書籍大賞ミステリー部門(角川書店)受賞
『零落』長田幹彦
零落
長田幹彦(1887~1964)
「私」は都会での退廃的な生活を捨て、北海道へと流浪、旅芝居一座と知遇を得る。作者の北海道流浪の経験を元に、零落した人々との交流を哀愁を湛えた文章で記した、大正耽美派の傑作。
底本 明治大正文学全集33 長田幹彦、野上彌生子集 昭和三年刊出典:零落/Amazon
作中では「野寄(のよろ)」という名称で描かれています。
『希望の国のエクソダス』村上龍 架空の「野幌市」が登場
2002年秋、80万人の中学生が学校を捨てた。経済の大停滞が続くなか彼らはネットビジネスを開始、情報戦略を駆使して日本の政界、経済界に衝撃を与える一大勢力に成長していく。その後、全世界の注目する中で、彼らのエクソダス(脱出)が始まった―。壮大な規模で現代日本の絶望と希望を描く傑作長編。
『砂上』桜木紫乃
「あなた、なぜ小説を書くんですか」北海道・江別で平坦な生活を送る柊令央は、応募原稿を読んだという編集者に問われ、渾身の一作を書く決意をする。いつか作家になりたいと思いつつ40歳を迎えた令央にとって、書く題材は、亡き母と守り通した家族の秘密しかなかった。執筆にのめりこむうち、令央の心身にも、もともと希薄だった人間関係にも亀裂が生じ―。直木賞作家・桜木紫乃が創作の苦しみを描ききる、新たな到達点!
出典:「BOOK」データベースより
『遡死(そし)水系』森村誠一
札幌郊外の豪華マンションで発生したやり手女社長殺人事件。解決は時間の問題とみられていたが、捜査は難航。現場近くの川で行われたサケの母川回帰本能の実験から捜査は急展開していく―。自らの嗅覚を頼りに因縁の糸を探りあてる刑事の執念と鮮やかな着眼によるミステリーの冴え。表題作以下傑作七編の競演。
出典:「BOOK」データベースより
『死の色の封印』佐々木譲
故なき醜聞で東京の大学を追われた新藤恭介は、妻娘とともに札幌郊外の私大に新たな職を求めた。だが80年前に米国人教頭ベーカーが建てた館に住む一家を、恐怖が襲った。怪しい人影が窓に映り、高窓が落ち、妻は地下室に閉じこめられた。一方、ベーカーの研究業績に光を当てようと資料の収集を始めた恭介に、大学から圧力がかかった。ベーカーの秘められた過去とは?ホラー・サスペンス長篇。
出典:「BOOK」データベースより
『雪中行 小樽より釧路まで』石川啄木
明治時代の歌人・詩人である石川啄木の紀行文。初出は「小樽日報」[1908(明治41)年]。「小樽から釧路まで」という副題が付いており、小樽から釧路に向かう際の日記。啄木は明治40年に函館に渡り、札幌、小樽、釧路へと転々とするのだが、この作品は、途中下車をした岩見沢(第一信)と、旭川(第二信)での様子が描かれている。
出典:雪中行 小樽より釧路まで/Amazon
※作中に「野幌」「煉瓦餅」の記述があります。(※煉瓦餅は正確には「煉化もち」と表記)
【番外編】『ゴールデンカムイ 24巻』野田サトル
番外編として漫画を一冊ご紹介。
北海道を舞台に繰り広げられる冒険バイオレンスアクション漫画、野田サトル著『ゴールデンカムイ』。
こちらの24巻には江別市民には馴染み深い『外輪船』が登場します。
読書の秋、江別市が舞台の本を図書館で借りたり、江別蔦屋書店で読んだり…と、ぜひ作品を探してみてください。