
江別市が2026年(令和8年)5月に実施した「まちづくり市民アンケート」の結果がまとめられました。
自然環境や安全、福祉、子育て、交通、市民協働など、江別市のまちづくりに関する幅広い項目について、市民の評価や前年度からの変化が示されています。評価が高かった分野、低かった分野、改善・低下した項目を中心にご紹介します。
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もくじ
江別市まちづくり市民アンケートとは
「まちづくり市民アンケート」は、市が進める行政施策の成果やまちづくりの進捗状況を把握し、今後の政策に生かすために実施されている調査です。
今回の資料は、次の3種類で構成されています。
- 市民に配布した「調査票A」「調査票B」
- 調査票A・Bそれぞれの詳しい集計結果
- 第7次江別市総合計画の指標として主要結果を整理した概要版
調査票Aと調査票Bは、それぞれ江別市内に住む18歳以上の市民5,000人を無作為に選んで配布されました。回答数は調査票Aが1,123件、調査票Bが1,145件です。
調査結果は、第7次江別市総合計画に定められた9つの「まちづくり政策」と、5つの「えべつ未来戦略」に沿って整理されています。
調査票A・Bで江別市の幅広い政策分野を調査
両調査票では、年齢、性別、職業、家族構成、居住地域といった基本項目に加え、江別市の暮らしやすさや行政施策について質問しています。
調査票Aでは、自然・環境、安全・安心、健康・福祉、子育て・学校教育、文化・スポーツ、市民協働、デジタル技術などを幅広く調査しています。
調査票Bでは、安全・安心、子育て、福祉、生涯学習、文化・スポーツ、市民協働・共生などを中心に、一部異なる設問が設定されています。
調査票を2種類に分けることで、一人あたりの回答負担を抑えながら、多くの政策分野を調べる構成です。
なお、回答者は65歳以上が全体の約半数を占めており、若年層の回答割合は比較的低くなっています。結果を見る際には、回答者の年齢構成にも留意する必要があります。
評価が高かった分野一覧
今回の調査で、特に高い割合となった主な項目は次のとおりです。
- 消防・救急活動に満足している:95.1%
- 緑に親しめる空間がある:90.7%
- 市から必要な情報が提供されている:89.6%
- 安全で衛生的な生活環境が整っている:84.5%
- 健康だと思う:80.0%
- 市政運営に満足している:77.3%
消防・救急活動への満足度が95.1%で最も高く、自然環境や行政情報の提供についても約9割の市民が肯定的に評価しています。
安全で衛生的な生活環境や市政運営への満足度も比較的高く、日常生活の基礎となる分野では、一定の評価を得ていることが分かります。
自然環境と消防・救急への評価が高い結果に
「緑に親しめる空間がある」と答えた割合は90.7%でした。江別市内の公園や緑地、自然に触れられる環境が、多くの市民から評価されています。
また、消防・救急活動への満足度は95.1%となり、調査項目の中でも特に高い数値となりました。
一方で、自然環境そのものへの評価が高くても、環境施策や環境に配慮した行動に関する評価は、必ずしも同じ水準ではありません。
評価が低かった分野一覧
割合が低かった主な項目は次のとおりです。
- 日頃の生活で地域の人との交流がある:23.1%
- 文化・芸術活動に参加している:24.3%
- デジタル技術を活用したまちづくりが進んでいる:29.7%
- 協働によるまちづくりが進んでいる:36.1%
- 市内に働きやすい環境が整っている:38.8%
- 地域全体で支え合う福祉ができている:46.0%
地域交流や文化・芸術活動への参加は、いずれも2割台にとどまりました。
また、市民協働、働きやすい環境、行政分野のデジタル化なども、ほかの生活基盤に関する項目と比べて低い評価となっています。
地域交流や市民参加に関する項目が低め
「日頃の生活で地域の人との交流がある」と答えた割合は23.1%で、今回の主な指標の中でも低い結果となりました。
「協働によるまちづくりが進んでいる」は36.1%で、市民がまちづくりに参加しているという実感についても課題が見られます。
地域活動への参加機会や情報発信だけでなく、若い世代や転入者なども参加しやすい環境づくりが重要になりそうです。
文化活動やデジタル化も今後の課題
「文化・芸術活動に参加している」割合は24.3%でした。
文化施設や催しがあることと、市民が実際に参加することには違いがあり、参加しやすい機会やきっかけづくりが課題として読み取れます。
また、「デジタル技術を活用したまちづくりが進んでいる」と感じる割合は29.7%でした。スマートフォンなどを日常的に利用する市民が多い一方、市のサービスやまちづくりにおけるデジタル化については、十分に実感されていない状況がうかがえます。
前年度から改善した項目一覧
前年度調査と比べて、比較的大きく上昇した主な項目は次のとおりです。
- 地域全体で支え合う福祉ができている:39.0%から46.0%へ上昇
- デジタル技術を活用したまちづくりが進んでいる:24.1%から29.7%へ上昇
- 市内に働きやすい環境が整っている:32.7%から38.8%へ上昇
- 災害対策が充実し安心できる:55.6%から60.9%へ上昇
- 教育施策に力を入れている:36.9%から44.0%へ上昇
- 市政運営に満足している:74.5%から77.3%へ上昇
低い水準にある項目の中にも、前年度から改善しているものがあります。
特に、地域福祉、教育施策、働きやすい環境、デジタル技術を活用したまちづくりは、依然として評価を高める余地があるものの、前年より市民の評価が上昇しています。
災害対策や市政運営への評価が上昇
「災害対策が充実し安心できる」は55.6%から60.9%へ上昇しました。
市政運営への満足度も74.5%から77.3%へ上昇しており、市の取り組みに対する全体的な評価は改善しています。
初期値となる令和4年度実績と比べても、市政運営、行政情報の提供、働きやすさ、災害対策、デジタル化などでは改善傾向が見られます。
前年度から低下した項目一覧
前年度調査から低下した主な項目は次のとおりです。
- 市街地整備への満足:79.6%から74.9%へ低下
- 環境に配慮した生活をしている:74.2%から69.6%へ低下
- 文化・芸術活動に参加している:26.8%から24.3%へ低下
- 健康維持のために心掛けていることがある:87.0%から85.1%へ低下
- 性別・年齢・国籍などが異なる人への「壁」をなくすべき:70.2%から67.5%へ低下
市街地整備への満足度は依然として7割を超えているものの、前年度から4.7ポイント低下しました。
環境に配慮した生活をしている市民の割合も4.6ポイント低下しています。文化・芸術活動への参加は、もともと低い水準にある中で、さらに減少しました。
子育て環境への評価は前年度と同じ
「子育て環境が充実している」と答えた割合は58.9%で、前年度と同じでした。
大きな低下は見られなかった一方、約4割は肯定的な回答をしていないことから、子育て支援の内容や利用しやすさなどについて、引き続き取り組みが求められる分野といえます。
年代別に見る江別市民アンケートの特徴
年代によって、まちづくりへの評価や日頃の行動には大きな違いが見られます。
18歳から20代は生活環境への評価が高め
18歳から20代は、「市内に働きやすい環境が整っている」「交通環境に満足している」「安全で衛生的な生活環境が整っている」といった項目で、比較的高い評価となりました。
一方、「環境に配慮した生活をしている」割合は42.5%で、ほかの年代より著しく低くなっています。
30代は子育て環境への評価が高い
30代は、子育て環境が充実していると感じる割合が、ほかの年代より高い結果となりました。
一方で、江別市が環境問題に積極的に取り組んでいると感じる割合は低い傾向にあります。
75歳以上は地域福祉を高く評価
75歳以上では、地域福祉や地域交流に関する評価が比較的高くなっています。
一方、「健康だと思う」「緑に親しめる空間がある」「デジタル技術を日常生活に取り入れている」といった項目では、ほかの年代より低い傾向が見られました。
地区別に見る江別・野幌・大麻地区の特徴
地区別でも、それぞれ異なる傾向が示されています。
大麻地区は自然環境や子育てへの評価が高め
大麻地区では、自然環境、子育て環境、教育施策への評価が比較的高くなっています。
一方、市内に働きやすい環境が整っていると感じる割合は、ほかの地区より低い傾向です。
野幌地区は市街地整備や働きやすさを評価
野幌地区では、市街地整備や働きやすい環境への評価が比較的高くなりました。
商業施設や交通環境など、日常生活の利便性に関する評価が反映されている可能性があります。
江別地区は定住意向と市政満足度が低め
江別地区では、「高齢になっても江別市に住み続けたい」と答えた割合や、市政運営への満足度が、野幌地区や大麻地区より低い傾向となっています。
同じ江別市内でも、居住地区によって生活利便性や行政施策への感じ方が異なることが分かります。
江別市民アンケートから見えるまちづくりの評価と課題
今回の調査では、江別市の「自然が身近にある」「安全で衛生的に暮らせる」「消防・救急が充実している」「市から必要な情報を得られる」といった、生活の基礎となる分野が高く評価されました。
一方で、地域の人との交流、文化・芸術活動、市民協働、働きやすい環境、行政サービスのデジタル化など、地域の活力や市民参加に関わる分野は低い水準となっています。
低い評価となった分野の中にも、地域福祉、働きやすさ、デジタル化など、前年度から改善した項目があります。その一方、市街地整備や環境に配慮した生活、文化活動への参加は前年度から低下しました。
江別市の生活基盤はおおむね高く評価されているものの、市民同士のつながりや地域活動への参加、働く環境などをどのように充実させるかが、今後のまちづくりにおける重要なポイントとなりそうです。
※全てのアンケート結果については以下のリンク先の資料をご参照ください。