
江別市で2026年7月29日、「令和8年度 第1回江別市総合戦略推進委員会」が開催され、第3期江別市総合戦略に基づく2025年度(令和7年度)の取り組み状況や、地方創生関係交付金を活用した事業、DX推進の実績などが報告されました。
公表された資料では、人口の社会増がプラス680人となった一方、企業誘致による新規立地は0社となるなど、分野によって進捗に差が見られます。
また、江別市が今後進める若い女性向けのシティプロモーションや、市役所内での生成AI活用、自治会のデジタル化など、新たな取り組みについても報告されています。
今回は、委員会資料と会議録から主なポイントをまとめます。
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もくじ
- 1 江別市の「第3期総合戦略」2025年度実績を報告
- 2 人口の社会増減は+680人
- 3 企業誘致による新規立地は0社
- 4 スマート農業機械は40件導入、目標を大幅に上回る
- 5 子育て支援センター利用者は12万7千人超
- 6 救急業務のデジタル化で活動時間を短縮
- 7 バス輸送人員は32万5千人
- 8 江別市、札幌圏の20~30代女性に向けた新たなPRへ
- 9 旧岡田住宅は年間2万2,800人の来場を想定
- 10 江別市役所でも生成AIを業務活用
- 11 自治会でも電子回覧やペーパーレス化
- 12 江別市公式ホームページもリニューアルへ
- 13 外国人住民増加を踏まえ、市民アンケートも検討
- 14 人口流入は堅調、一方で企業誘致や公共交通などに課題
江別市の「第3期総合戦略」2025年度実績を報告
江別市では、2025年度から2029年度までの5年間を計画期間とする「第3期江別市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を進めています。
総合戦略では、
・しごとをつくる
・新しい人の流れをつくる
・結婚・出産・子育ての希望をかなえる
・安心して暮らせる地域をつくる
といった分野について目標やKPI(重要業績評価指標)が設定されています。
今回の委員会では、その初年度となる2025年度の実績が報告されました。
人口の社会増減は+680人
人口に関する指標では、2025年の社会増減数が「+680人」となりました。
社会増減とは、転入者数から転出者数を差し引いた人数です。
第3期総合戦略では、2025年から2029年までの5年間で累計2,500人以上の社会増を目標としており、初年度はプラス680人となっています。
また、「市内に働きやすい環境が整っていると思う市民の割合」は38.8%となり、2029年度の目標値35.0%を初年度から上回りました。
企業誘致による新規立地は0社
一方、経済分野では課題も見られます。
「誘致により立地した企業・事業所数」は2025年度実績が0社でした。
総合戦略では2029年度までに累計8社の立地を目標としているため、初年度は実績なしという結果になりました。
会議でもこの数字について意見が出され、市側は担当部署と原因や今後の取り組みについて意見交換を進めていると説明しています。
スマート農業機械は40件導入、目標を大幅に上回る
農業分野では、「スマート農業機械導入件数」が40件となりました。
2029年度までの累計目標は20件となっており、初年度だけで目標値の2倍に達しています。
このほか経済・産業分野では、
・新規創業数 12社
・商工業活性化補助金活用件数 14件
・商工会議所による経営指導件数 367件
・観光入込客数 約159万4千人
などが報告されています。
子育て支援センター利用者は12万7千人超
子育て分野では、「子育て支援センター年間延べ利用者数」が12万7,651人となりました。
2029年度目標の12万人をすでに上回っています。
一方、待機児童数は5人となり、目標の0人には届いていません。
また、
・放課後児童クラブ登録児童数 1,148人
・市の就労支援事業を通じた就職者数 170人
なども報告されています。
結婚支援については、「さっぽろ結婚支援センター」で成婚により退会した組数が30組となっています。
救急業務のデジタル化で活動時間を短縮
DXを活用した行政・医療分野の取り組みも進んでいます。
救急医療支援システムを活用した「救急業務デジタル化事業」では、救急活動時間が基準値の76分から67分へ短縮されました。
2029年度の目標は68分となっているため、すでに目標値を上回る結果となっています。
また、医育大学などと医療機関を結ぶ地域連携ネットワークの接続機関数は、基準となる1機関から29機関へ増加しました。
バス輸送人員は32万5千人
公共交通については、バス輸送人員が32万5千人となりました。
基準値は46万6千人、2029年度の目標は52万人とされており、目標との差が大きい状況です。
人口減少や運転手不足など、全国的にも公共交通を取り巻く環境が厳しくなる中、今後の推移が注目されます。
江別市、札幌圏の20~30代女性に向けた新たなPRへ
地方創生関係交付金を活用した事業として、「江別シティプロモーション高度化プロジェクト」の実績も報告されています。
2025年度には、
・江別市PR動画・コンテンツ制作
・札幌中心部でのデジタルサイネージ
・SNSによる情報発信
・まちづくりアドバイザー事業
・ラジオ番組での情報発信
などを実施。
この取り組みによる移住者数は31人とされています。
さらに今後は、市内のクリエイターを集めた「シティプロモーションチーム」を編成し、Instagramを中心に江別の魅力を発信する方針です。
特に、札幌市や近郊に住む20~30代女性を主なターゲットとし、住宅取得を具体的に考える前の段階から、江別を「文化的にも魅力のあるまち」として認識してもらうことを目指しています。
暮らしや日常の風景、食、文化などをクリエイターの視点で発信し、将来的に江別市が移住先の選択肢として自然に挙がるようなブランドづくりを進める考えです。
旧岡田住宅は年間2万2,800人の来場を想定
歴史的建造物を活用した賑わい創出事業では、旧岡田住宅・旧岡田倉庫周辺の整備についても報告されています。
施設整備後のKPIとして、年間来場客数2万2,800人を設定。
そのほか、
・JR江別駅乗降客数 年間108万5千人
・新規雇用 累計13人
・施設一帯でのイベント開催 累計20回
などが目標として設定されています。
会議では、旧岡田住宅単体だけで観光客を増やしていくには工夫が必要ではないかとの意見も出ています。
江別市役所でも生成AIを業務活用
江別市DX推進方針に関する報告では、市役所内のデジタル化についても紹介されています。
2025年度には、
・AI議事録作成支援システム
・生成AIによる文章作成支援
・グループウェアを利用した電子決裁・電子回覧
・既存文書のスキャニング
・休暇や手当に関する書類の一部電子化
・ペーパーレス会議
などが実施されました。
生成AIについても、すでに市役所業務の文章作成支援などに利用されています。
自治会でも電子回覧やペーパーレス化
地域コミュニティーのDXでは、
・電子回覧
・オンラインフォームによる申し込み
・共済掛金の電子決済
・デジタル活用研修
などが進められています。
会議では、新栄台西自治会が先進的な事例として紹介され、班長による会費集金や紙の回覧板をなくし、会議もペーパーレス化していることが説明されました。
一方、高齢者などデジタル機器の利用に慣れていない人もいるため、市としては紙をすべて廃止するのではなく、当面はデジタルと紙を併用していく考えです。
江別市公式ホームページもリニューアルへ
会議では江別市公式ホームページについても意見が出されました。
委員からは、観光情報などが検索しても見つけにくいことや、子育て、介護などの情報をより分かりやすく表示してほしいといった声が上がっています。
市側も、現在のホームページについて「情報量が多く、知りたい情報がどこにあるのか分かりにくい」という課題を認識しており、広報広聴課でホームページのリニューアルを進めていると説明しています。
今後、どのようなデザインや構成に変更されるのか注目されます。
外国人住民増加を踏まえ、市民アンケートも検討
江別市内で外国人住民が増えていることを受け、市民アンケートのあり方についても議論されました。
現在実施されている「まちづくり市民アンケート」では国籍を尋ねておらず、日本語のみで実施されています。
市側は今後、外国人住民が市政をどのように評価しているのかを把握するため、回答者の属性を確認する方法などについて検討する必要があるとの考えを示しています。
人口流入は堅調、一方で企業誘致や公共交通などに課題
今回公表された資料を見ると、人口の社会増や働きやすさに対する市民評価、子育て支援センター利用者数、スマート農業、救急DXなどでは目標を上回る数字が見られました。
その一方で、企業誘致が0社だったことや、バス利用者数、待機児童など、今後の課題となる項目もあります。
また、若い女性をターゲットとした新たなシティプロモーション、市役所での生成AI活用、公式ホームページのリニューアルなど、今後の江別市の情報発信や行政サービスにも関わる新しい動きが複数明らかになっています。
総合戦略は2029年度まで続くため、初年度の実績が今後どのように変化していくのか注目されます。
■令和8年度 第1回江別市総合戦略推進委員会 開催結果
江別市公式サイト
https://www.city.ebetsu.hokkaido.jp/soshiki/seisaku/155663.html