
江別市の入口に設置されている「カントリーサイン」が、30年以上ぶりに新しいデザインへ変わる可能性が出てきました。
2026年9月に開かれた令和8年第3回江別市議会定例会の一般質問で、江別市のカントリーサインについて取り上げられ、市は現在のデザインについて「あり方を検討すべき時期に来ている」との認識を示しました。
現在のカントリーサインには、すでに解体された「北海道百年記念塔」も描かれています。
ただし、現時点でデザイン変更が正式に決定したわけではありません。市はまず、他自治体の事例などについて情報収集を進める考えです。
もくじ
江別市のカントリーサインは市境14カ所に設置
カントリーサインとは、市町村の境界付近に設置され、その自治体の名称や地域を象徴するイラストなどが描かれている道路標識です。
市議会での答弁によると、江別市では国道、道道、高速道路の市町村境となる14カ所にカントリーサインが設置されています。
市は、カントリーサインについて、車の運転手などに他市町村から江別市へ入ったことを知らせるとともに、市の特色をPRする効果が期待できるものと認識しています。
まさに市外から江別へ入る際の「まちの顔」ともいえる存在です。
現在のデザインは30年以上前に考案
江別市内のカントリーサインには、江別を象徴するものとして、
・レンガ倉庫
・野幌森林公園
・北海道百年記念塔
などが描かれています。
市に残る記録では、北海道開発局から特徴的な図柄の考案を依頼されたのは、おおむね1990年(平成2年)から1993年(平成5年)ごろ。
現在のデザインは、30年以上にわたり使用されてきたことになります。
一方、市議会では、長年の風雪にさらされたことで色あせなどが見られるカントリーサインもあることが指摘されました。
すでに存在しない「北海道百年記念塔」が今も描かれる
現在のデザインを考える上で大きな変化となっているのが、北海道百年記念塔です。
野幌森林公園内にあった北海道百年記念塔は、長年にわたり江別周辺を象徴する景観の一つとなっていましたが、2023年に解体されています。
一方、江別市のカントリーサインでは現在も北海道百年記念塔が描かれたデザインが使用されています。
市は今回の答弁で、現在の図案が考案されてから30年以上が経過していることに加え、北海道百年記念塔の解体など、市の景観や特産品なども変化していることを挙げました。
その上で、
「デザインのあり方について検討すべき時期に来ている」
との認識を示しました。
江別市「まずは他自治体の事例を情報収集」
今回の答弁で注目されるのは、市が現在のデザインをそのまま維持することを前提とせず、見直しを検討する時期に来ているとの認識を示した点です。
近年、北海道内でもカントリーサインのデザインを変更する自治体があり、公募や市民投票、学生からの提案など、さまざまな方法で新しいデザインを決める事例があります。
江別市もこうした事例を踏まえ、
「まずは情報収集に努めてまいります」
としています。
このため、現時点では具体的な変更時期や新しいデザイン、公募・市民投票の実施などは決まっていません。
子どもたちが新デザインを考える案も
一般質問では、新しいデザインを単に行政側で決めるのではなく、子どもや若い世代を含む市民参加型で考えてはどうかとの提案もありました。
カントリーサインを考えることを通じて「江別とはどんなまちなのか」「江別を象徴するものは何なのか」を子どもたち自身が考える機会にし、地域への愛着につなげようというものです。
また、採用されたデザインだけでなく、子どもたちなどから寄せられた作品を新庁舎のエントランスなどで展示するアイデアも示されました。
さらに2028年は、江別村が誕生してから150周年にあたることから、こうした節目と新しいカントリーサインを関連付ける案も示されています。
江別を象徴する新しいデザインは生まれるか
30年以上使用されてきた江別市のカントリーサイン。
現在の図柄が作られた1990年代初頭から、市内の景観や産業、観光、まちの特色も大きく変化しました。
そして、現在のデザインを構成する大きな要素の一つだった北海道百年記念塔も、すでに姿を消しています。
今回、市が「デザインのあり方について検討すべき時期」との認識を示したことで、今後、新しいカントリーサインに向けた議論へ発展する可能性があります。
レンガ、農業、食、自然、鉄道、大学、子どもたち――。
現在の江別を一枚のカントリーサインで表現するとしたら、どのようなデザインになるのでしょうか。
今後、市がどのような形で検討を進めていくのか注目されます。






