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北海道内の土地価格の目安となる、2026年の「基準地価」が9月16日に公表されました。
今回の調査では、富良野市の住宅地が2年連続で上昇率全国1位となったほか、次世代半導体工場「ラピダス」の建設が進む千歳市でも高い地価上昇が続くなど、観光需要や大型投資の影響を受ける地域が注目されています。
その一方、数年前まで急激な地価上昇が続いていた札幌近郊では、上昇が一服している地域もみられます。
では、かつて住宅地の地価上昇率で全国上位に多数の地点が入っていた江別市は、現在どうなっているのでしょうか。
この記事では、2026年7月1日時点の基準地価をもとに、北海道全体で注目されている地価の動きを確認したうえで、江別市の住宅地・商業地の最新状況を紹介。野幌、大麻・文京台、江別地区など市内各地域の地価を前年と比較するとともに、2022~2023年ごろの「地価急上昇期」と現在でどのように状況が変化しているのかを見ていきます。
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もくじ
富良野市の住宅地が2年連続で上昇率全国1位
今回の基準地価で特に注目を集めているのが、富良野市です。
富良野スキー場などに近い北の峰町の住宅地は、1平方メートルあたり6万8100円となり、前年から32.0%上昇。
住宅地の地価上昇率として、2年連続で全国1位となりました。
北の峰地区では、スキーリゾートを目的とした外国人観光客の増加などを背景に、別荘や宿泊施設などを見込んだ土地需要が地価を押し上げているとされています。
一般的な住宅需要だけではなく、観光や投資の影響を強く受けている地域といえそうです。
千歳市では「ラピダス効果」が続く
もう一つ、道内で地価上昇が目立っているのが千歳市です。
次世代半導体の量産を目指すラピダスの工場建設が進む千歳市では、住宅地・商業地ともに高い地価上昇が続いています。
2026年の基準地価を見ると、住宅地では「栄町5丁目3番外内」が前年の1平方メートルあたり14万9000円から17万5000円へ上昇。上昇率は約17.4%となりました。
「東雲町5丁目52番」も11万7000円から13万5000円となり、約15.4%上昇しています。
商業地ではさらに大きな上昇がみられます。
千歳駅に近い「末広2丁目6-3」は、前年の15万5000円から19万4000円へ上昇し、上昇率は約25.2%。
「東雲町1丁目6番4」も12万7000円から15万5000円へ約22.0%上昇、「北栄2丁目3-9」は16万5000円から19万8000円へ20.0%上昇しました。
前年から1年間で1平方メートルあたり3万~4万円前後上昇している商業地もあり、千歳市では依然として大きな地価上昇が続いていることが分かります。
ラピダス進出に伴い、半導体関連企業の集積や工場関係者向けの住宅・賃貸物件、ホテル、オフィスなどの需要拡大が見込まれており、こうした大型投資を背景とした土地需要が地価を押し上げる要因の一つとなっています。
観光・リゾート需要を背景に地価が上昇する富良野市と、半導体関連の大型投資によって上昇が続く千歳市。北海道内でも、地域によって地価を押し上げている要因が大きく異なっていることが分かります。
北海道内でも地域によって地価の動きに差
一方で、北海道内のすべての地域で同じように地価が上昇しているわけではありません。
札幌圏でも、数年前まで地価が大きく上昇していた郊外住宅地では、上昇幅の縮小や横ばい、下落へ転じる地域も出ています。
土地価格だけでなく、建築資材や人件費などの上昇によって住宅を取得するための総額が高くなっていることも、住宅需要に影響する要因となっています。
観光や大型投資など特定の需要が集中する地域では地価が大幅に上昇する一方、これまで住宅需要を背景に上昇してきた地域では変化がみられるなど、地域差が鮮明になってきています。
こうした中、江別市の地価はどうなったのでしょうか。
江別市の2026年基準地価、住宅地は平均0.2%下落
2026年の江別市は、住宅地の平均変動率が前年比マイナス0.2%となりました。
前年2025年は0.0%の横ばいだったため、今回はわずかながら下落に転じた形です。
一方、商業地は前年比0.0%で、2年連続の横ばいとなっています。
江別市全体の調査結果は次のようになっています。
| 用途 | 調査地点数 | 平均価格 | 平均変動率 |
|---|---|---|---|
| 住宅地 | 12地点 | 46,500円/㎡ | -0.2% |
| 商業地 | 5地点 | 62,300円/㎡ | 0.0% |
| 全用途 | 17地点 | 51,100円/㎡ | -0.2% |
北海道の集計によると、江別市の住宅地平均価格は1平方メートルあたり46,500円、商業地は62,300円。全用途では51,100円となりました。
2025年は住宅地の平均変動率が0.0%でしたが、その前年はプラス3.6%。
商業地についても2025年は0.0%だったのに対し、その前年はプラス5.6%でした。
つまり、数年前まで続いていた大幅な地価上昇から、2025年に横ばいとなり、2026年は住宅地の一部で下落が始まった形です。
住宅地12地点のうち「上昇」はゼロ 9地点横ばい・3地点下落
今回調査された江別市内の住宅地12地点を前年と比較すると、特徴的なのは、地価が上昇した地点が一つもなかったことです。
12地点のうち9地点は前年と同じ価格を維持し、3地点で下落しました。
下落した地点は次の通りです。
・大麻園町11番24
53,000円/㎡ → 52,500円/㎡(0.9%下落)
・文京台57番23
63,500円/㎡ → 63,000円/㎡(0.8%下落)
・緑ヶ丘16番13
51,000円/㎡ → 50,500円/㎡(1.0%下落)
いずれも下落幅は1%前後で、現時点では急激な値下がりというより、小幅な調整といえる水準です。
野幌地区は高い水準を維持、主要地点はいずれも横ばい
一方、野幌地区では比較的高い地価が維持されています。
住宅地では「野幌町7番21外」が70,000円/㎡で、今回の江別市内の住宅地12地点では最も高い価格となりました。
「野幌東町43番16」は68,500円/㎡、「野幌末広町37番8」は51,000円/㎡で、いずれも前年と同じ価格です。
商業地では、「東野幌本町3番8外」が79,000円/㎡、「野幌松並町6番8」が78,000円/㎡、「野幌住吉町18番1外」が50,500円/㎡となっており、こちらもすべて前年から横ばいでした。
野幌周辺では価格そのものは市内でも高い水準ですが、2026年については「さらに値上がりした」という状況ではなく、現在の水準で落ち着いていることが分かります。
大麻・文京台では一部地点が下落
大麻地区では、「大麻桜木町4番5」が51,500円/㎡で前年と変わりませんでした。
一方、「大麻園町11番24」は前年の53,000円/㎡から52,500円/㎡へ500円下落しています。
文京台では「文京台57番23」が63,500円/㎡から63,000円/㎡へ下落しました。
大麻・文京台方面は札幌市厚別区にも近く、これまで札幌圏の住宅需要の影響を受けてきた地域ですが、今回の基準地価では一部地点で下落が確認される結果となりました。
江別地区は横ばいが中心
江別駅方面に近い地域では、「上江別西町11番2」が30,000円/㎡、「いずみ野18番10」が37,000円/㎡となり、いずれも前年と同じ価格でした。
また、「元江別820番22」は33,000円/㎡、「中央町13番14」は48,500円/㎡で、こちらも横ばいです。
商業地についても、高砂町25番10が59,000円/㎡、元町32番5が45,000円/㎡となり、前年から変化はありませんでした。
数年前の「地価急上昇」とは大きく状況が変化
江別市では数年前まで、全国的に見ても非常に高い地価上昇が続いていました。
2021年の基準地価では、江別市野幌東町の住宅地が前年比15.7%上昇し、住宅地の上昇率で全国9位にランクイン。
さらに2022年の地価公示では、住宅地の地価上昇率全国上位100地点のうち、江別市内から28地点が入りました。
2023年の地価公示でも、住宅地では朝日町が前年比29.1%、東野幌町が29.0%、向ケ丘が28.8%上昇。
商業地についても元江別や上江別西町、文京台東町などが全国上位に入り、住宅地・商業地を合わせて江別市内8地点が全国上位10位以内に入るなど、地価上昇が大きな話題となりました。
それと比べると、2026年の状況は大きく変わっています。
今回の基準地価では住宅地12地点のうち上昇地点はゼロ。
9地点が横ばい、3地点が下落し、住宅地全体の平均変動率もマイナス0.2%となりました。
2026年の地価公示でも住宅地はマイナスに
こうした傾向は、今回の基準地価だけに表れているものではありません。
2026年1月1日時点を調査した「地価公示」でも、江別市の住宅地平均変動率はマイナス0.3%となっていました。
地価公示では、大麻中町、大麻高町、文京台南町、文京台東町など一部の住宅地で前年を下回っています。
一方、商業地は平均0.0%で横ばい。
工業地については平均7.2%上昇しており、住宅地・商業地とは異なる動きをみせています。
3月の地価公示と今回9月の基準地価の双方で住宅地の平均変動率がマイナスとなったことからも、江別市の住宅地については、数年前までの急激な上昇局面から状況が変化していることがうかがえます。
江別市の地価上昇は「急落」ではなく「一服」か
今回の数字だけを見ると、江別市の住宅地は下落に転じています。
ただし、下落幅は平均0.2%と小さく、12地点のうち9地点は前年と同じ価格です。
そのため現時点では、「江別市の土地価格が急激に下がっている」というより、数年間続いた大幅な地価上昇が一服し、高止まりから一部で小幅な調整が始まった、と捉えるほうが実態に近そうです。
北海道内では、富良野市のように観光・投資需要、千歳市のように大規模な半導体投資を背景として地価が大幅に上昇している地域があります。
一方、江別市では、札幌近郊の住宅地として大幅に上昇した時期を経て、2025年の横ばい、2026年の小幅下落へと局面が変化しています。
今後、住宅建築費や住宅ローン金利、札幌市内との土地価格差などが、江別市内の住宅需要と地価にどのような影響を与えていくのか注目されます。
※「基準地価」は実際の土地の売買価格そのものではありません。北海道が毎年7月1日時点の基準地について判定する標準価格で、公的土地評価の基準や一般の土地取引価格の指標として利用されています。
参照・関連リンク
- 北海道の地価(地価調査・地価公示)について|北海道
- 令和8年 北海道地価調査(令和8年7月1日現在)が公表されました|江別市
- 令和8年 地価公示(令和8年1月1日現在)が公表されました。|江別市
- 【基準地価】2年連続上昇率日本一『第2のニセコ』富良野市北の峰→1年で約1万7000円も上昇!「観光・投資目的で外資が購入」千歳市も”ラピダス効果”で上位ランクイン〈北海道〉|FNNプライムオンライン
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- 公示地価2022年 住宅地上昇率トップ100に北海道江別市が28地点(2022年3月22日)|えべナビ!
- 2023年 全国の地価上昇率ランキングで江別市がTOP10に多数ランクイン!|えべナビ!