「江別市郷土資料館(北海道江別市緑町西1丁目)」にて展示されている2体の土偶は、日本最北で出土した土偶だそうです。
今回はその日本最北端土偶についてご紹介します。
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もくじ
日本最北端の土偶出土遺跡「江別市大麻3遺跡」の2体ペア土偶
江別市郷土資料館に展示されている2体並んだ土偶。
こちらは江別市大麻元町「大麻3遺跡」の墓と考えられる土壙(どこう)から、ほぼ完全な形で発見された土偶で、2点が重なった状態で出土したそうです。
土偶が2体ペアで発見される、というのは全国的に見て極めて珍しいことだとのこと。
本州で発見される土偶に比べると非常にシンプルな形をしているのが特徴です。
発見年月日は1985年(昭和60年)5月24日、土偶が作られた時代は縄文時代晩期後葉(約2,000~2,300年前)ということで、北海道指定有形文化財に指定されています。
土偶の大きさ
土偶(大) | 土偶(小) | |
身長 | 15.4cm | 13.3cm |
肩幅 | 8.6cm | 9.2cm |
厚さ | 1.1~1.3cm | 1.1~1.2cm |
重さ | 133g | 96g |
※データは江別市郷土資料館より
こちらの2ペアの土偶は、2009年(平成21年)9月にイギリス・ロンドン大英博物館で開催された「土偶の力:古代日本の陶像」展に出展されたこともありました。
その展示会でも現在正面を向いている方が正面として紹介されたそうですが、実は上の写真の裏側が実際の正面だという話を江別市郷土資料館の方に説明して頂きました。説明がなかったら一生気づかないですね。
土偶が出土した「大麻3遺跡」の場所「れんげ公園」
2ペアの土偶が出土した場所「大麻3遺跡」の標柱が立つ「れんげ公園」に行ってみました。
住宅地の中にある小さな公園です。
公園の入口に立つ標柱。
ずいぶん色あせてしまって文字が読みにくいですが、「史跡 大麻三遺跡 日本最北端の土偶出土遺跡」と書かれています。
裏側には「江別市教育委員会 平成二年(一九九〇)九月建立」とあります。建立から32年以上が経過していることになりますね。
この場所で2000年以上前に縄文人が暮らしていたのかと思うと不思議な感じです。
それにしても、江別市には最北の土偶、膨大な数の縄文土器(江別式土器)、現存する最北の古墳など貴重な出土品・遺跡がありますが、全く話題にならないのが不思議でなりません。
江別市郷土資料館の場所アクセス地図
住所:〒067-0002 北海道江別市緑町西1丁目38
大麻3遺跡の場所アクセス地図
住所:〒069-0841 北海道江別市大麻元町178−14