
旧江別小学校跡地
江別市は2026年9月9日、江別市萩ヶ岡にある「旧江別小学校跡地」の利活用事業について、公募型プロポーザルによる事業者の再募集を開始しました。
旧江別小学校跡地については、これまで民間事業者による利活用が検討され、2025年10月にも公募が行われましたが、2026年5月に中止が決定。
今回の再公募では、土地の利用方法をこれまでの「定期借地」から「売却」へ大きく変更。最低売却価格を5,200万円とし、江別駅周辺のにぎわい創出につながる商業施設などを整備する事業者を募集します。
スポンサーリンク
もくじ
旧江別小学校跡地、約2万2,000平方メートルを売却

https://www.city.ebetsu.hokkaido.jp/uploaded/attachment/78042.pdf
今回の対象となるのは、江別市萩ヶ岡11番1ほかの旧江別小学校跡地です。
概要は次の通りです。
- 所在地:江別市萩ヶ岡11番1ほか
- 地目:学校用地ほか
- 売却対象面積:22,205平方メートル
- 利用可能な有効面積:約21,200平方メートル
- 最低売却価格:52,000,000円
- 用途地域:近隣商業地域
- 建ぺい率:80%
- 容積率:300%
面積は現在整備が進められている「萩ヶ岡2号道路」の整備後を前提としたものです。
旧江別小学校跡地は道路面より2~4メートルほど高い起伏のある土地となっており、そのままでは商業施設などを建設することが難しいとされています。
このため、土地を購入する事業者が造成工事を行い、一定の高さを残した平地に整備することが条件となっています。
最低売却価格の5,200万円についても、こうした造成費用などを考慮して設定されています。
商業施設を1つ以上設置することが必須条件
今回の公募では、単に土地を購入できるだけではなく、江別駅周辺の活性化につながる施設整備が求められています。
特に重要な条件が、地域住民の生活利便性向上につながる商業施設を1施設以上設置することです。
江別市では、この場所をJR江別駅周辺地区の「地区核」と位置付け、商業などの都市機能を誘導することで、人の流れや民間投資、周辺への居住を呼び込みたい考えです。
さらに、水害などの災害が発生した際には、施設利用者の安全確保だけでなく、周辺住民を一時的に受け入れる避難場所としての機能も必要となります。
旧江別小学校跡地は周辺より高い「神社山」と呼ばれてきた場所で、市はJR江別駅周辺では比較的浸水リスクが少ない土地として、防災面での役割も想定しています。
マンションなど住宅のみの開発は不可
一方で、今回の募集要項では土地利用に一定の制限も設けられています。
住宅のみに利用する施設は認められておらず、マンションや戸建住宅だけを建設するような開発は今回の事業対象にはなりません。
また、床面積の合計が15,000平方メートルを超える商業施設も対象外となっています。
そのほか、風俗営業に該当する施設や宗教活動・政治活動を目的とした施設なども認められていません。
つまり、大規模な住宅開発ではなく、江別駅周辺で日常的に利用される商業・生活利便施設を中心とした開発が想定されていることが分かります。
「価格」だけでは決まらない、施設計画を重視
土地売却ということで「最も高い価格を提示した事業者が購入する」と思われるかもしれませんが、今回の選定は価格だけでは決まりません。
審査は200点満点で行われ、このうち事業内容の評価が180点、価格評価が20点となっています。
事業評価では、
- 地域住民の生活利便性
- 商業施設の市場性・集客性
- 地域コミュニティへの効果
- 市内事業者との連携
- 防災機能
- 地域の歴史や特性への配慮
- 自然環境・緑化への配慮
- 事業の実現性・継続性
などが審査されます。
中でも「施設計画」は70点と大きな割合を占めており、生活利便性が40点、市場性・集客性が30点となっています。
土地の購入価格以上に、「どのような施設を建て、江別駅周辺にどれだけ人を呼び込めるのか」が重要な審査項目となっています。
江別神社周辺の景観や桜などにも配慮
募集要項では、旧江別小学校跡地の歴史や周辺環境への配慮も求められています。
この一帯は、1893年(明治26年)の江別神社創建以降、地域住民から「神社山」と呼ばれてきた場所。
2016年3月までは江別小学校が置かれていたこともあり、長年地域住民に親しまれてきました。
そのため、市は跡地に残る桜などの樹木についても、移植や補植といった配慮を事業者に求めています。
また、工事や事業計画について周辺住民への説明会を早期に開催することや、市内事業者を優先的に活用することも盛り込まれています。
土地購入後10年間は原則として転売不可
売却後にも条件があります。
土地の引き渡しから10年間は、原則として第三者への所有権移転はできません。
また、市は土地について10年間の「買戻し特約」を設定。事業者が提案した開発計画を確実に実施することを求めています。
購入した土地をすぐに転売したり、当初の提案とは異なる用途へ変更したりすることを防ぐ仕組みです。
2026年12月に優先交渉権者を決定予定
今後の主なスケジュールは次の通りです。
| 項目 | 予定 |
|---|---|
| 募集開始 | 2026年9月9日 |
| 現地視察申込期限 | 10月2日 |
| 質問受付期限 | 10月14日 |
| 参加申込期限 | 11月11日 |
| 応募書類受付 | 11月12日~30日 |
| プレゼンテーション・審査 | 12月 |
| 優先交渉権者決定 | 12月 |
| 土地売買本契約 | 2027年2~3月予定 |
| 売買代金納入 | 2027年3月予定 |
| 所有権移転 | 2027年3月予定 |
順調に進めば、2026年12月には旧江別小学校跡地を開発する事業者と、その具体的な施設計画が見えてくることになります。
なお、土地売却には江別市議会の議決が必要で、優先交渉権者との売買仮契約締結後、市議会に議案として提出される予定です。
萩ヶ岡2号道路の整備と合わせ、江別駅周辺が大きく変わる可能性
旧江別小学校跡地の南東側では現在、「萩ヶ岡2号道路」の整備工事も進められています。
市はこの道路を、観光・交流拠点を結ぶ歩行周遊ルートとしてだけでなく、江別駅周辺地区へのアクセスを高める道路として位置付けており、2026年度中の完成を予定しています。
道路整備に続いて旧江別小学校跡地への民間施設が実現すれば、江別駅北側から江別神社周辺にかけての景観や人の流れは大きく変わる可能性があります。
これまで長期間にわたり未利用地となってきた旧江別小学校跡地。
今回、定期借地から土地売却へ条件を大きく変更した再公募によって、どのような事業者が手を挙げ、どのような商業施設が提案されるのか注目されます。
参考・公式情報
江別市「【再公募】公募型プロポーザルの実施(旧江別小学校跡地利活用事業)」
https://www.city.ebetsu.hokkaido.jp/soshiki/seisaku/155907.html
江別市「旧江別小学校跡地利活用事業 公募型プロポーザル募集要項」
※上記江別市公式ページ内「募集要項」より閲覧可能












