
江別市内で長年保存されている貴重な蒸気機関車などの鉄道車両群「山田コレクション」。
2026年9月29日時点で、その車両を保管する倉庫周辺で工事が行われていることが確認できました。
現地では倉庫沿いの歩道に多数のカラーコーンが並び、倉庫側面の一部には足場が設置されています。
さらに、倉庫の屋根の一部が開けられている状態となっていることも確認されており、山田コレクションの車両をめぐって何らかの大きな動きが始まっている可能性があります。
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もくじ
山田コレクション保管庫で工事 屋根の一部が開いた状態に

屋根が開いた状態の山田コレクション倉庫
2026年9月29日、山田コレクションが保存されている江別市内の倉庫周辺を確認したところ、建物沿いの歩道にはカラーコーンや規制材が広い範囲に設置されていました。
倉庫側面には足場が組まれており、資材なども置かれています。
さらに倉庫を横方向から確認すると、屋根の一部が開いている状態となっています。
山田コレクションの保管庫は通常非公開となっているため、今回の工事内容について現時点で公式な発表は確認できていません。
ただ、山田コレクションをめぐっては現在、蒸気機関車2両を江別市から安平町へ移設する計画が進められており、今回の工事との関連が注目されます。
山田コレクションのSL2両、安平町追分地区へ移設予定
安平町議会の会議録によると、安平町と株式会社井門コーポレーションは2025年11月4日に包括連携協定を締結しています。
井門コーポレーションは鉄道模型事業なども展開しており、鉄道に関する知識や技術、人材ネットワークを持つ企業として、安平町と鉄道文化の継承や鉄道観光資源の活用などで連携することになっています。
この計画では、井門コーポレーションが所有する蒸気機関車2両を安平町追分地区へ移転し、将来的に展示する予定となっています。
対象となるのは、山田コレクションに含まれる
- 日曹炭鉱専用鉄道で使用された9600形「9615号」
- 三菱鉱業美唄鉄道で使用された4110形の蒸気機関車
の2両です。
これらは安平町追分地区で2両の展示開始を目指しているとされています。
2025年の訴訟和解で2両の搬出が決定
山田コレクションをめぐっては、長年にわたって車両の所有権をめぐる訴訟が続いていました。
日本鉄道保存協会によると、2025年3月26日に和解が成立。
和解では、山田コレクションのうち「9615号」と「美唄4号」の2両について原告側の所有とし、原告側の費用で現在の保管場所から搬出することが決まりました。
また、車両搬出後には土地・建物を日本鉄道保存協会側へ無償譲渡する内容となっており、これらの手続きを2027年3月31日までに行うこととされています。
山田コレクションの保存場所については、その後、公益社団法人横浜歴史資産調査会が土地と車庫2棟を取得し、修理・維持・管理を行う方向が示されています。
同調査会は将来的に、江別市や市民団体と連携しながら山田コレクションの一般公開を目指す方針も示しています。
過去のSL搬出でも「倉庫の屋根を取り外し」
今回特に注目されるのが、倉庫の屋根が開けられていることです。
実は山田コレクションでは過去にも、車両搬出の際に同様の方法が使われています。
山田コレクションに含まれていた「C11 1号機」は、東武鉄道への譲渡に伴い2018年11月8日に江別市内の倉庫から搬出されました。
日本鉄道保存協会関係者による当時の記録には、
「北海道江別市倉庫から屋根を取り外し C11 1号を搬出」
と記載されています。
その後C11 1号機は修復され、現在は東武鉄道の「C11 123号機」としてSL大樹などで活躍しています。
今回の工事でも倉庫の屋根の一部が開けられていることから、同様の方法による車両搬出準備である可能性も考えられます。
ただし、今回の工事が9615号や4110形の搬出を目的としたものかどうかについては、現時点で関係団体などから正式な発表は確認されていません。
山田コレクションとは
山田コレクションは、江別市の元市議・故山田建典氏が私財を投じて収集した、蒸気機関車や客車、貨車などからなる鉄道車両群です。
4110形や初期の9600形など、明治末期から大正期に製造された貴重な蒸気機関車を含んでいます。
長年にわたって一般公開されることなく江別市内の倉庫で保存されてきましたが、現在は日本鉄道保存協会を中心に保存・活用が進められています。
2024年6月には、日本遺産「炭鉄港」の構成文化財にも追加されています。
山田コレクション、今後大きく動く可能性
今回確認された現地の状況だけでは、工事の目的を断定することはできません。
一方で、
- 倉庫の屋根の一部が開いている
- 倉庫周囲に足場が設置されている
- 歩道沿いに広い範囲で工事規制が行われている
- 9615号と4110形の2両は搬出が決まっている
- 2両は安平町追分地区で展示する計画が進んでいる
- 過去のC11搬出時にも倉庫の屋根を取り外している
という状況が重なっています。
山田コレクションは長年、江別市内でほとんどその姿を見せることなく保存されてきました。
今回の工事がSL2両の搬出に伴うものであれば、山田コレクションにとって久しぶりとなる大きな車両移動となります。
今後、9615号や4110形が実際に倉庫から姿を現すのか、引き続き現地の動きが注目されます。
※2026年9月29日時点の現地確認および公開情報をもとにしています。工事内容について公式発表が確認できた場合は追記・更新します。
※追記:山田コレクションの2両、安平町へ陸送
山田コレクションの蒸気機関車2両が、2026年10月6日夜から7日にかけて保管庫から搬出されました。詳細は以下の記事をご参照ください。
江別市の倉庫から搬出された蒸気機関車2両は、当初の予定通り安平町へ陸送されました。到着した場所など詳細は以下の記事をご参照ください。
参考資料・関連情報
- 安平町と株式会社井門コーポレーションが2025年11月4日に包括連携協定を締結し、井門コーポレーション所有のSL車両2両(4110型・9600型)を追分地区へ移転・展示する計画などが記載されています。
安平町「令和7年第8回安平町議会定例会会議録(第1号)」 - 山田コレクションをめぐる裁判訴訟の和解内容や、9615号・美唄4号の搬出、土地・建物の譲渡などについて掲載されています。
日本鉄道保存協会「NETWORK 2025年6月号」 - 山田コレクションを保管する車庫2棟と土地の取得・修理・維持・管理、将来的な一般公開について記載されています。
横浜歴史資産調査会「YOKOHAMA HERITAGE 2025年夏号」 - 「山田コレクションの保管庫の取得・保存」として、木造平屋建て2棟と土地約600坪の取得・保存、一般公開構想などが示されています。
「令和7年度 事業計画」公益社団法人 横浜歴史資産調査会 - 2018年11月8日の搬出時に、江別市内の倉庫の屋根を取り外してC11 1号機を搬出したことが写真付きで紹介されています。
米山淳一氏「山田コレクションC11 1号が東武C11 123号として復活」 - 山田コレクションが日本遺産「炭鉄港」の構成文化財として紹介されています。
日本遺産ポータルサイト「炭鉱鉄道遺産群(山田コレクション)」
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