江別の著名な方や江別を全力で楽しむ方にお話を伺うインタビュー企画『江別の達人』。今回は、旧町村農場のイベント企画などを担当する増田りえさんにご登場いただきました。増田さんは近年人気急上昇中のスポーツ「モルック」の楽しさを伝える「えべつモルックの会」の代表・モルック指導員としてもご活躍されています。
現在のお仕事のことや、モルックとは?等、色々なお話を聞いてきました!
『江別の達人』とは?
「江別の達人」は、江別在住または江別にゆかりのある方へお話を伺う「えべナビ!」のインタビュー企画です。江別での現在の活動から、江別にまつわる歴史や思い出話、未来の展望などをお聞きし、江別の楽しさ素晴らしさを再発見します!
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もくじ
旧町村農場の魅力を発信
リニューアルオープンした旧町村農場のイベントの企画や、ホームページ、公式SNSの運用などを主に担当する、えべつ観光協会所属の増田さん。
町村農場は、1917年(大正6年)に創業し100年の歴史があります。現在の篠津に移転する前に農場があった江別市いずみ野は、旧町村農場としてキング式牛舎や旧町村邸、サイロ、製酪室などの歴史的建物が復元・整備され、当時のバター作りの器具や貴重な資料などを展示しています。
2007年には近代化産業遺産として経済産業省に認定され、北海道酪農の礎を築いた先人たちの歴史を伝える資料館としての価値が非常に高い場所です。ところが2022年3月、旧町村農場の屋根の一部が雪の重みにより陥没してしまいます。
その後大規模な改修工事が行われ、会議や研修、ワークショップ等で利用できる多目的室や、江別の特産品などを取り扱うショップ・カフェなどを新たに整備し、2024年6月6日にリニューアルオープンを迎えました。増田さんはオープン準備からここでの仕事を始めました。
改修工事では音声や映像を使った展示を新設し、施設内ではフリーWi-FIが整備され、子どもが遊べるキッズスペースや授乳スペース、多目的トイレもでき小さなお子さん連れも安心な環境が整いました。大人も子どもも心地よく過ごせる施設へと生まれ変わった旧町村農場へ多くの人に来てもらいたいと考えています。
自然がとても魅力的な旧町村農場
「旧町村農場の魅力って、施設はもちろんのこと、『自然』もすごく魅力的だなと思っています」と増田さんは言います。敷地内には樹齢85年のハルニレや、樹齢90年のイチョウをはじめ、江別の指定樹木もあり立派な木がたくさんあります。
「公園を散歩してもらったり、四季が変わるごとに変わっていく植物たちを見てもらったり、そういうきっかけになって旧町村農場に訪れてくれたらいいですね」
四季折々の風景を楽しめるのも旧町村農場の魅力のようです。
みんなで楽しく遊ぼう!公園でモルック体験会を開催
旧町村農場内にある広々とした公園では、リニューアルオープン後の初のイベントとしてモルック体験会を開催し、41名もの参加者を集め大いに盛り上がり笑い声が響きました。
旧町村邸入口にはモルックセットが置いてあり無料貸出しを行っていて、モルック指導員の資格を持つ増田さんからルールや遊び方を教わることもできます。公園は「広々とした芝生に木陰もあり本当に魅力的。疲れたらカフェで一休みもできます」とモルックで遊んでもらうのにちょうどいい場所だと言います。
モルックとは?
フィンランド発祥のスポーツで木の棒を投げて木製ピン(スキットル)を倒し、倒れたスキットルの内容(本数または表示されている数字)によって得点を加算し、50点ピッタリに得点した方が勝ちというシンプルなゲームです。
モルックを始めたきっかけ
増田さんがモルックを始めたきっかけは、友人からモルックが楽しくて夢中になっている話を聞き、昨年の夏に長沼で行われた大会に参加してみたのが最初で、本格的にやってみたいと思い旦那さんと近所に住む仲良しのご夫婦4人で「えべつモルックの会」というチームをつくりました。
今は、8月23〜25日に日本で初めて開催される「2024 モルック世界大会 in 函館(※1)」への参加に向けて「毎日練習しています。趣味というか、もう絶対欠かせないものになってますね」とすごい熱量。それほど夢中になるモルックの魅力って何ですか?と聞くと「自分を高めるアイテムの一つ」と言います。
(※1)「2024 モルック世界大会 in 函館」の開催前にインタビューを行っています。
狙ったスキットルに棒を投げて当てるためには、集中力と無心の境地が大切なので、モルックが自分のことを見つめ直す訓練になっているのだそう。「投げるのが上手くなることによって、自分が成長していることがわかるんです」とモルックが自己成長にも役立っていると分析。
「モルックが好きであれば年齢も性別も関係ない、というところがいいのかもしれないですね。幅広い年代で一緒に遊べて、仲間が増えることも魅力。すべてが面白いしワクワクする!」と教えてくれました。
モルック世界大会と、モルックの魅力
「2024 モルック世界大会 in 函館」出場の際にはチームで記念Tシャツをつくり、みんなで着ようと盛り上がっているのだとか。一緒に活動することで夫婦仲も友人との絆も深まったと感じています。
他にもモルックの発祥の地フィンランドでは、文化同士の交流が日常に溶け込んでいて、モルックの大会などでは、対戦した相手の方にお土産をあげたり物を交換したりするなど、モルックならではのコミュニケーションがあります。えべつモルックの会のオリジナル缶バッジを作り、世界大会にも持って行って海外から来る人たちと交換してこようかなと思っていると、バッチを見せてくれました。新しい出会いや交流もモルックの楽しみのひとつのようです。
「モルックは今日本で『競技』として盛り上がってきているけれど、もともとモルックというのは、サウナ入ってビール飲んで休み時間に棒投げて遊ぶことから始まっていて、とてもゆるい遊びなんです。モルックを一人でやっててもつまんないんです。やっぱり誰かとやった方がだんぜん楽しいんですよね。江別でもモルックをやる人が増えて気軽にいろんな人と対戦できるようになると、もっともっと楽しくなっていくんじゃないかな?」
増田さんは、江別でモルックを楽しむ人がもっと増えてくれたらいいのに!という気持ちが高まり、去年の10月には江別市都市と農村の交流センターえみくるでモルック交流会を開催しました。江別市外からも多くの参加者が集まり、初心者も上級者も一緒にその場でチームをつくりゲームを楽しんだ経験を活かして、旧町村農場でもモルックで交流の機会をつくることをどんどん増やしていきたいと言います。
モルックを全力で楽しむ増田さんは「自分が楽しかったら周りも楽しくなるんじゃないかな。」と熱い思いを伝えてくれました。
これからの増田さんがイベントで作り出す楽しさや心地良さが、江別のまちにも優しい風を吹かせてくれるような予感がしました。
※内容は取材時点(2024年7月)のものです。